什器とは|オフィス什器の種類から購入・レンタルの是非まで
店舗経営やオフィス移転の経験がない方にとって、「什器」はあまり馴染みがない言葉かもしれません。これからオフィスの開設や店舗の開店を控えている方には、什器がどのようなオフィス家具を指すのか知りたい方もいるのではないでしょうか。
什器にはさまざまな種類があり、調達方法も新規購入やレンタルなどいくつかの選択肢から選べます。
この記事では、什器に関する基礎知識や具体的な種類、オフィス什器の購入やレンタルのメリット・デメリットについて解説します。
▼このコラムを読んでもらいたい方
- ・什器とは何かを知りたい方
- ・揃えるべきオフィス家具を知りたい方
- ・オフィス家具の新規購入・レンタルの違いを知りたい方
▼このコラムを読んで得られる情報
- ・什器とはなにか
- ・オフィスに必要な什器例
- ・レンタル・新規購入それぞれのメリット
1.什器とは?
什器(じゅうき)とは、一般的に家具全般を示す言葉です。オフィスで使用される什器は「オフィス什器」、店舗で使用される什器は「店舗什器」と呼ばれます。
店舗什器は、主に顧客向けに商品をディスプレイするための備品全般です。一方で、オフィス什器はオフィスデスクやオフィスチェアなどのオフィス用品を指し、「オフィス家具」とも呼ばれます。
1-1.什器の種類
店舗に必要な什器の種類は、飲食店やアパレル店など、お店の種類によって異なります。
飲食店において必要な什器の一例は、下記のとおりです。
- 食器
- カトラリー
- ゴンドラ
- ターンテーブル
- コート掛けハンガー
- 調理器具
- キッチンワゴン
- 椅子/ソファー
- メニューブック
- 会計用グッズ
- 商品ディスプレイ用グッズ
テーブルクロスやのれん、会計に使用するレジなどさまざまな什器があります。店頭で集客のために展示するディスプレイチェンジャーも什器の一種です。
ほかにも、食材を保管するための冷蔵ケースや、営業中・準備中を知らせる吊るしサインなど、店舗の運営に必要な道具全般は什器として扱われます。
また、アパレル店や雑貨店などにおける什器には次のような道具があります。
- ハンガーラック
- 回転ハンガー
- 試着室
- マネキン/トルソー
- 商品陳列棚
- 平台
- サッカー台
- ショーケース
- 小物用ディスプレイ
- ミラー
アパレル店に必要な什器では、商品を見せるためのディスプレイ用品はもちろん、着心地を確認するための試着室や、顧客が着用イメージを確かめるミラーなどが必要です。帽子や靴、バッグなどを展示するためのディスプレイツールなども含まれます。
雑貨店等の小売店では、売り出し中の商品を並べる陳列ケースやサッカー台のほか、会計用のレジ台なども什器の一種です。
什器には大小さまざまな道具がありますが、「店舗経営に必要な器材」といった認識が共通しています。
2.オフィスを構える場合に用意するべき什器とは?
新しくオフィスを構える場合は、用意しなければならないオフィス家具がたくさんあります。とはいえ、大きな什器から小さな什器まで種類が多く、どのような什器が必要なのか分からない方もいるでしょう。
ここでは、オフィスを構える場合に用意すべき什器について解説します。
2-1.オフィスデスク
従業員が執務するためのオフィスデスクは、オフィスの必需品です。個人ごとに業務に関わる書類を収納したり、パソコンを置いたりする必要があるほか、オフィスデスクの有無は作業効率を大幅に変えます。
一部の企業はフリーアドレス制を採用しており、個人の私物を置くスペースがない場合も。しかし、その場合でもオフィスデスクは必要なため、オフィス家具のなかでもオフィスチェアと並んで最重要の什器と言えます。
収納スペースが心もとない場合は、オフィスデスクとセットでワゴンも用意すると快適性が高まります。
2-2.オフィスチェア
オフィスチェアは、オフィスデスクと並んでオフィスにおける重要な什器のひとつです。オフィスデスクとセットでオフィスチェアがなければ、業務を進めるのは難しいでしょう。
オフィスデスクと同様にオフィスチェアは全体に占める面積が大きいため、オフィスの印象を大きく左右します。デザイン面にこだわりつつ、統一感を持たせるのも選び方のポイントです。
また、オフィスチェアの座り心地は従業員の快適性に深く関係しており、生産性の向上や低下にも直結するため、質の良さにも気を配る必要があります。
そのため、
デザイン性と快適性のバランスが取れたオフィスチェアの選定が大切です。
2-3.応接セット
応接セットは、来客を迎える応接室に配置する什器で、エグゼクティブチェアやソファーとテーブルがセットになっているオフィス家具が一般的です。事務所内のちょっとしたスペースで打ち合わせが可能な簡易応接セットや、重要なお客様と商談するための高級感あふれる本格的な応接セットがあり、用途に合わせて選択できます。
オフィスデザインに統一感を出すためにも、セット販売されている商品を購入するのがおすすめです。
なかには役員室向けの応接セットなどもあり、来客だけでなく社内用の什器としても活用できます。
2-4.パーテーション
パーテーションは空間を物理的に仕切る什器で、広いスペースを分割して活用したり、執務スペースが見えないように隠したりする場合に便利です。自由にレイアウトできるアレンジ性が特徴で、シチュエーションに合わせて柔軟な使い方が可能です。
インテリア性を重視したパーテーションも数多く販売されており、ガラスでできたパーテーションやアルミ、スチールなど使われている素材もさまざまです。ミーティングに便利なホワイトボード付きなど、実用性を重視した什器も見つかります。
2-5.書庫
社内の書類を一箇所にまとめて収納する書庫は、オフィスに欠かせない存在です。資料が散乱した状態は、必要なタイミングですぐに目的の書類を探せないだけでなく、セキュリティの観点からも望ましくないと言えます。
オープンタイプや両開き、引き戸タイプなどさまざまな書庫が販売されています。オフィスの間取りや使い勝手などを総合的に判断して、適切な書庫を選びましょう。
2-6.金庫
金銭の管理はもちろん、社外に持ち出し禁止の機密書類など、会社にとって重要なものを保管するための金庫も什器のひとつです。金庫は用途によって必要な機能が異なるため、まずは何を保管したいのかを考えれば、自社のオフィスに適した金庫が見えてきます。
金庫には次のような種類があります。
- スタンダード金庫
- 耐火金庫
- 役席用金庫
- 防盗金庫
- 解除履歴付き金庫
- マイナンバー金庫
- 投入式金庫
自社のオフィスに必要な金庫はどれなのか、事前に比較検討するのをおすすめします。
また、容量や湿度など細かい仕様についても慎重に確認しましょう。
2-7.ワゴン
ワゴンは、書類を整理する際に便利な什器です。オフィスデスク下のスペースを有効活用できるため、省スペースで収納を増やせます。
オフィスデスクの横に設置する個人用のサイドワゴンも、オフィスにはよく用いられます。サイドワゴンはオフィスデスクの下に収めるタイプよりも容量が多く、多くの書類や小物を整理できるため、一人あたりの書類量が多い場合に最適です。
ただし、通常のワゴンと比較して省スペース性は低く、十分な広さのオフィスがない場合は設置が難しい場合もあるためご注意ください。
3.オフィス什器はレンタルor購入どちらがいい?
オフィス什器を用意する方法には、新規購入とレンタルの2通りがあります。どちらにもメリットとデメリットがあるため、事前の検討が大切です。
●新規購入のメリット
- 長期にわたって使用できる
- 企業の資産として計上できる
- デザインや質にこだわって選びやすい
●新規購入のデメリット
- まとまった初期費用がかかる
- 廃棄処分の際にコストが発生する
オフィス什器は基本的に頻繁に買い換えないため、一度購入すると長期にわたって使い続けられます。資産とみなされるため、減価償却の対象となる点もメリットのひとつです。
レンタルでは選べる種類が限られていますが、什器を新規購入する場合は納得がいくまで質やデザインにこだわりを持てます。
●レンタルのメリット
- 長納品や設置の手間がかからない
- 初期費用を大きく抑えられる
- レンタルできる道具の種類が豊富
- 数ヶ月から気軽に借りられる
●レンタルのデメリット
- 中古品がメインで、新品の家具は使えない場合が多い
- 長期間レンタルするとコストが高くなる可能性がある
什器をレンタルする場合、レンタル業者が搬入や設置を行うため、手間をかけずに利用できます。また、新規購入よりも初期費用を大きく抑えられるので、オフィスの開業に関する什器をコスパよく集められるメリットも。
レンタルできる製品はオフィスチェアやオフィスデスクをはじめ、ロッカーやホワイトボードなど多岐にわたります。
新規購入とは異なり、数ヶ月間だけ使いたい場合もレンタル什器なら不要なコストを払う心配もない点がメリットです。
新規購入とレンタルのどちらにもメリットがあるため、一概にどちらがいいとは言い切れません。自社の状況に応じて、コスト面なども加味しながら適切な方法を選びましょう。
まとめ
店舗運営に必要な店舗什器と、オフィス業務に必要なオフィス什器では、必要な道具も大きく異なります。日々の業務を円滑に進めるためにも、オフィスに必要な道具には何があるのかを事前に確認し、デザイン性と快適性の両方を満たせる什器を選ぶことが大切です。
オフィス什器の調達方法には新規購入やレンタルなどがあり、双方にメリットやデメリットが存在します。デザイン性にこだわりたい場合や短期間だけ借りたい場合など、その時の状況に合わせた方法を選択すれば、効率的に什器を準備できるでしょう。
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