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オフィスが暑いときの原因と対策は?オフィスの暑い寒い問題について

オフィスで暑がる男性

オフィスで働く人にとって、そして人事部や管理職の人にとってもオフィスの温度環境は他人事ではありません。仕事場が暖かすぎると眠気をまねいてしまったり、暑さのストレスで集中力を欠いてしまったりと生産性の問題も発生してしまいます。

この記事ではオフィスが暑すぎる場合の問題点や、暑いときの原因、暑さ対策の方法をご紹介します。

1.オフィスが暑いと起きる問題とは?

オフィスの空調設備

昨今では地球温暖化などさまざまな問題で『暑さ対策』が重要視されています。人生のおよそ3分の1を過ごすとされる職場のオフィスも同じく、しっかりとした暑さ対策を実施しなければいけません。

人によっては、「会社が暑すぎるから辞めたい」という社員もいるようです。そんな夏場のオフィスが暑いことで起きる問題点としては以下のポイントがあげられます。

  • 集中できなくなる
  • 暑さでストレスがたまりイライラする
  • 熱中症など命の危険性がある

中でも注意すべきポイントは、夏場のオフィスは熱中症など命の危険性があるという点です。

1-1.職場で熱中症により死亡する人もいる

熱中症における死傷災害の発生状況グラフ
【出典】2019年「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」(厚生労働省)

夏場のオフィスをはじめ、熱中症により職場で命を落とす方がいます。仕事中に熱中症にかかった方の多くは建設業や製造業、運送業といった職種ですが、オフィスで働いている方が熱中症で倒れたケースがあるのも事実です。

基本的には、室温が30℃、湿度が60%以上のオフィス環境だと熱中症になる可能性が高くなるとされています。オフィスワーカーが快適に働ける環境づくりのためにも、十分な空調設備を整えなければなりません。

オフィスの暑さ問題を放置していると代表者の責任問題にも発展するため、あらかじめ暑さ対策をしておくことが大切です。

2.“エアコンハラスメント”には要注意

エアコン問題で悩む女性

エアコン設定にありがちな問題が「オフィスが暑い寒い問題」でしょう。夏場にエアコンの冷房が弱かったり、逆に冬場におけるエアコンの暖房が強すぎたりするなど、適切でないエアコンの設定温度は身体へ悪影響を及ぼしてしまうこともあります。

「オフィスが暑くて/寒くて集中できないのに、空調の設定温度を変えてもらえない」
実はソレ、”エアコンハラスメント”になるかもしれません。

エアコンハラスメントとは、空調が暑すぎる・寒すぎるなど、エアコンの設定温度にまつわるハラスメントのこと。「オフィスが暑いにも関わらずエアコンが弱冷房のまま」というのは立派な”エアハラ”になるおそれがあります。

とはいえ、世の中には「暑がりな人」や「寒がりな人」というように、人によって体感温度に違いがあるのも事実です。空調の温度設定で「上司にいいづらい」、「エアコンのベストな設定温度が分からない」と職場で頭を悩ませる方も少なくないでしょう。

オフィスで働く人々が納得する温度に設定するためにも、一律のルールに従うことが大切です。法令により、オフィス内の具体的な温度設定が定められています。

2-1.オフィスの適切な室内温度は何度?

会社における室内の温度目安は法令にて定められています。「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」や「事務所衛生基準規則」を参考にすると、適切な室内温度は以下のとおりです。

  • 適切なオフィス内の温度 17℃~28℃
  • 適切なオフィス内の湿度 40%~70%

上記の範囲を越していると法令違反となります。また、上記に加えて、「職場快適基準」ではさらに細かく快適なオフィスの温度・湿度設定が分けられています。

  • オフィスの室内温度:24℃~27℃(夏季)、20℃~23℃(冬季)
  • オフィスの室内湿度:50%~60%

上記はあくまで『室内温度』の目安で、『エアコンの設定温度』ではありません。オフィスフロアの広さや設備次第でエアコンの効きにムラがあるため、様子見しつつオフィスの空調設定を改善する必要があります。

オフィスが暑いと感じた場合は、適切な温度をオーバーしていないかオフィス内の温度計をチェックしましょう。

3.職場のオフィスが暑い原因は?

暑すぎるオフィスに頭を抱える女性

人間工学に対応した椅子を使うことで、身体へ掛かる負担を軽減することができます。腰痛がつらい、肩こりが酷いという場合でも、姿勢を矯正して正しい座り方を意識することで症状を改善できるかもしれません。

夏の季節を迎えると、「オフィスが暑い問題」が浮上する職場も少なくありません。職場のオフィスが暑すぎる原因について見ていきましょう。

3-1.オフィスの空調範囲にムラがある

オフィスの室内温度が適温であっても、体感温度ではオフィスが暑いと感じることもあります。その多くはオフィスの空調にムラがあり、冷風の当たりにくい環境が原因です。

また、風通しが悪いせいで空気の流れが滞っているなど、自身の周囲だけ温度が比較的高くなっている可能性も考えられるでしょう。空調のムラを無くすためには、空気を循環させる道具として扇風機やサーキュレーターの導入が必要になります。

3-2.機材の排熱

室内の温度にムラが生まれる原因の1つに機材の排熱があります。オフィスの温度計が適温を示していても、コピー機やプリンター、パソコン機器といった機材からの排熱で、熱源近くだけ温度が高くなっているかもしれません。

とくに、冬場のオフィスが暑いと感じるときは、多くのケースで機材の排熱が原因の1つです。

風の流れだけでは改善できない可能性もあるため、熱源との間にパーティションを設けたり、別室を設けたり、あるいは空調設備を整えるなどいくつかの工夫が必要になります。

3-3.人の密度が高い

オフィス内の人口密度が高いほど、オフィスが暑くなる原因になりがちです。人が多くなると風通しが悪くなるほか、しめ切った室内では熱や湿気の発生源になってしまうことも。

快適なオフィス面積は一人あたり3坪ほど、約6畳ほどの大きさが必要とされています。

また、近年ではコロナの影響により、飛沫感染を避けたソーシャルディスタンスも重要視されています。「密閉」「密集」「密接」の3密を避けるためにも、社会的距離の取れる環境整備は必要不可欠です。

3-4.遮熱(しゃねつ)不足の窓

オフィスが暑い原因の1つとして、窓から差す太陽光により室内が直接暖められている可能性があります。壁一面がガラス張りというようなオフィスでは、窓に遮熱や断熱加工がされていないとさらに職場が暑くなる原因になることも。

ブラインドカーテンやロールスクリーンを使っていても、室内に熱が入ってしまうのは避けられないでしょう。窓の遮熱対策は、『オフィスの効率的な冷却』という意味で見逃せないポイントの1つです。

3-5.湿度が高い

「空調によるムラもなく、室内も適温なのに暑く感じる」という場合は、湿度の高さが原因の可能性もあります。

そもそも、人の体は汗をかき、蒸発するときの「気化熱」の応用で体温を下げています。ところが湿度が高い環境では、わずかにかいた汗すらも蒸発しにくくなってしまうのです。

そのため、湿度の高いジメジメとした空間は暑く感じてしまうことがあります。

オフィスの暑さに湿度が直接関係するわけではありませんが、オフィス内の「湿度」が快適な環境(50%~60%)になっているかチェックしておきましょう。

4.オフィスが暑いときの対策方法は主に5つ

オフィスの暑さ問題を解決するピース

オフィスが暑いとき、もっとも簡単な対策方法はエアコンの設定温度を下げることです。とはいえ、オフィスが暑く感じる一方で、寒さに震える方がいるのも事実でしょう。周囲との感じ方の違いによって「エアコンの争奪戦」が始まってしまうこともあります。

寒さ対策は上着やストールなど衣服で調節することもできますが、暑さ対策を衣服だけで行おうとすると目に余るようなケースも。そのため、寒さよりも”暑さの改善”に目を向けることで全体的なバランスを取りやすくなります。

そこで、会社として取り組める代表的なオフィスの暑さ対策は主に以下の5つです。

  • 断熱シートを窓へ貼る
  • 扇風機やサーキュレーターを導入
  • フリーアドレスを導入
  • 就業規則を緩和
  • 出勤人口を減らす

4-1.遮熱・断熱シートを窓へ貼って対策

近年では、窓ガラスへ貼るだけで遮熱・断熱効果が期待できるガラスフィルムや、遮熱機能のついたブラインドカーテンも登場しています。太陽光を直接防ぐうえに、窓からの熱の伝わりを抑制するため、遮熱対策の有無でオフィスの室温が大きく変わることも。

遮熱と断熱の主な違いは以下のとおりです。

  • 遮熱:日差しそのものを跳ね返す仕組み。熱が入るのを抑える効果が期待できる。
  • 断熱:内外の熱が移動するのを防ぐ仕組み。オフィスの室温を安定させやすくなる

夏場によるオフィスの暑さ問題を解決したい場合は、遮熱・断熱シートを貼ることで室温が改善されるケースも多くなっています。

4-2.扇風機やサーキュレーターを導入して対策

オフィス内に扇風機やサーキュレーターを導入することで、オフィス内における温度のムラを改善する効果が期待できます。大切なポイントは、空調による風の流れを散らすということ。

暖かい空気は上へ、冷たい空気は下へたまりやすくなっています。そのため、サーキュレーターを使って「足元から天井まで斜め上に向けて空気を送る」ことで空気の循環を促すことができます。

もちろん、扇風機を使って風を直接身体へ当てることもオフィスの暑さ問題を解決する1つかもしれません。

しかし、長いあいだ冷風にあたり続けると体のバランスを崩す原因になる可能性もあります。人によっては「内臓型冷え性」になってしまう場合もあるため、身体を直接冷やしすぎないように注意しましょう。

4-3.フリーアドレスを導入して対策

オフィスの暑い・寒い問題は、エアコンなど空調設備のムラによって引き起こされているケースもあります。また、人によって暑がり・寒がりといった個性の問題があるのも事実です。

そんな暑さの感じ方にムラがあるときの対策として、フリーアドレスの導入があげられます。フリーアドレスにより適温だと感じられるデスク環境を自身で選べるため、暑がり・寒がり問題を解決することができます。

4-4.就業規則を緩和して対策

就業規則に服装や身だしなみを規定している場合は、条件を改善することでオフィスが暑い問題をある程度緩和することができます。いわゆる「クールビズ」ですが、より自由な服装規定を設けることもオフィスが暑い問題の対策方法になるといえるでしょう。

4-5.出勤人口を減らして対策

出勤人口を減らすことで、オフィス内の暑さ問題における改善が期待できます。対応可能な業務の一部をリモートワークやテレワークといった自宅勤務により補うことで、オフィス内の人口密度を減らすことが可能です。

暑がりや寒がりの社員がそれぞれのエアコンで温度調節ができるため、社員のストレス緩和効果も期待できるでしょう。

また、新型コロナに対する根本的な飛沫対策にもなるため、リモートワークやテレワークの導入は企業・社員双方にメリットがあります。

まとめ

「オフィスが暑い」といった問題は社員だけの問題ではありません。事業者は、社員が快適に過ごしやすいようオフィスの温度や湿度において一定の条件を満たす必要があります。

また、オフィスが暑い原因はさまざまですが、暑さ問題に対する取り組みには社員同士の協力が必要不可欠です。

オフィスの暑さ対策でもっとも大切なポイントは『社員同士のコミュニケーション』ですので、社員それぞれが意見を出し合えるよう、みんなで対策方法を考えられる環境づくりを意識しましょう。

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