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ストレスで眠くなるのはなぜ?原因・リスクや眠気の解消法も紹介!

現代人のほとんどは仕事・家事育児・学業などで何らかのストレスを感じており、ストレスによって心身に悪影響が出ている人も少なくありません。ストレス解消には睡眠が不可欠と言われますが、ストレスがたまると起きているべき場面で眠気が起こってしまい、仕事や生活に支障が出ることもしばしばです。

当記事では、ストレスで眠くなる理由とストレスによって起こる睡眠トラブル、ストレスからくる眠気の解消法について解説します。

1.ストレスで眠くなるのはどうして?

ストレスで眠くなるのはどうして?

「考え事をしていて寝付けなかった」「疲れているのによく眠れない」というように、ストレスが原因で眠れなくなることはよくあります。その一方で、ストレスによって眠気が起こることも少なくありません。

ストレスが眠気を引き起こす主な理由とメカニズムは、次の通りです。

1-1.睡眠抑制作用のあるホルモンが分泌されるため

ストレスを感じると副腎皮質刺激ホルモン「コルチコトロピン」が分泌され、コルチコトロピンの作用によって副腎皮質ホルモン「コルチゾール」の分泌が促されます。強いストレスにさらされ続けるとコルチゾール分泌量の多い状態が続くため、コルチゾールはストレスホルモンと呼ばれることもしばしばです。

コルチゾールには、代謝を助ける作用や免疫機能を調整する作用などがあります。しかし、コルチゾールが増えすぎると自律神経が乱れて覚醒状態が続き、不眠を引き起こしやすくなります。また、不眠傾向に陥った場合は、夜間の睡眠不足を補うため日中に強い眠気を感じることもあるでしょう。

1-2.脳が逃避行動を起こしているため

ストレスによる脳への負担が大きすぎると、眠ることによってストレスから逃れようとするケースがあります。そのため、大きいストレスを感じたときに強い眠気を感じる人は少なくありません。

睡眠を取ることそのものは、ストレス解消に効果的です。しかし、本人の意思と関係なく仕事中や授業中などに眠くなると日常生活に支障をきたす恐れがあります。また、周囲から「やる気がない」「怠けている」などと言われて深刻な悩みを抱えやすくなることも大きな問題です。

2.ストレスによって引き起こされる睡眠障害・リスク

ストレスによって引き起こされる睡眠障害・リスク

強いストレスによって睡眠障害が起こった場合、軽度であれば日中の眠気や倦怠感などが現れます。症状が進行すると過眠症や不眠症を発症し、日常生活に深刻な影響を及ぼしかねません。次のような症状がある場合はストレスフルな状態が続いている可能性が高いため、早めの対処をおすすめします。

・疲労回復が遅れ、翌日も睡眠不足が続く

睡眠は疲労回復に欠かせないものですが、ストレスが大きいと疲労回復にも時間がかかります。一晩眠っても疲労を回復しきれない状態が過労であり、「寝ても疲れが抜けない」「何となくやる気がない」などの症状に加えて睡眠不足が起こることも少なくありません。

・メラトニンの量が減少し、入眠しづらくなる

夜になると、睡眠ホルモンとも呼ばれる「メラトニン」が分泌されて自然に眠くなります。メラトニンは幸せホルモンとも呼ばれる「セロトニン」などから生成されますが、強いストレスを受け続けるとセロトニンの分泌量が減少します。セロトニンが減るとメラトニンの分泌量も減少し、入眠障害や中途覚醒などが起こることもしばしばです。

・夜も交感神経が優位な状態が続き、睡眠の質が落ちる

交感神経と副交感神経のバランスが整っていると夜に眠くなり朝に覚醒しますが、ストレスを感じ続けると常に交感神経が優位となり過覚醒状態に陥ります。過覚醒は不眠や睡眠の質の低下などを引き起こす他、重度の場合は過眠に悩まされることもあります。

3.ストレスによる眠気の解消法4つ

ストレスによる眠気の解消法4つ

仕事中などに眠くなって困ったり、慢性的な不調によって生活の質が落ちたりすることを防ぐためには、ストレスの原因を突き止め改善に努めることが欠かせません。すでに深刻な症状が出ている場合は医療機関の受診をおすすめしますが、ストレス解消に向けて自分でできる対処法もあります。

3-1.朝起きたら日光を浴びる

睡眠リズムを整えるためにまず実行したいセルフケアは、朝に日光を浴びて体内時計をリセットすることです。日中しっかり覚醒して活動することで夜に自然な眠気が起こり、睡眠リズムの乱れを防ぐ効果が期待できます。無理に直射日光を浴びる必要はなく、カーテンを開けて自然光を室内に入れることも効果的です。

夜が長くなる冬などは、日の出より早く起きなければならないことも少なくありません。まだ外が暗くてもスムーズに起きたい場合は、タイマー機能つき照明器具などがおすすめです。起床時間の少し前に寝室の照明をつけることで、日光ほどではないもののある程度の覚醒効果が期待できます。

さらにエアコンなどを用いて室温を快適に保ち、朝食・洗顔・歯磨きなどの習慣を毎朝なるべく同じ時間に行うことで、すっきり目覚めやすくなるでしょう。

3-2.ストレス緩和に効果的な食事を摂る

ビタミンCは、コルチゾールの生成に欠かせない栄養素の1つです。ビタミンC不足などによってコルチゾールの分泌量が減ると集中力低下や倦怠感などの症状が出やすくなり、ストレスにつながります。次のような食材を積極的に口にすることでビタミンCを効率よく摂取でき、ストレスや疲労をたまりにくくする効果が期待できます。

  • 赤、黄ピーマン
  • 芽キャベツ
  • ブロッコリー
  • カリフラワー
  • キウイフルーツ
  • いちご
  • 柑橘類

睡眠の質を高めてストレスを緩和するためには、セロトニンの材料となる必須アミノ酸「トリプトファン」が欠かせません。トリプトファンを多く含む主な食材は、次の通りです。

  • 牛乳・乳製品
  • ナッツ
  • まぐろ
  • 鶏肉

トリプトファンとともに、セロトニンの生成を助けるビタミンB6やマグネシウムも積極的に摂りたい栄養素です。ビタミンB6は赤身肉などに、マグネシウムは海藻類や魚介類などに多く含まれています。なお、いくら睡眠の質を高めたくても特定の栄養素ばかり摂って栄養バランスを崩しては本末転倒です。日頃からいろいろな食材をバランスよく摂りつつ、健康維持に努めましょう。

よい睡眠と健康を保つためには、なるべくアルコールを控えることも大切です。アルコールを摂ると眠気が起こるものの、飲酒量が多すぎるとかえって睡眠の質は低下します。また、頻繁に寝酒をすると体がアルコールに慣れてしまい、アルコール依存症をも引き起こしかねません。

3-3.仮眠を取る

前日に夜更かししたり激しい運動をしたりしていなくても、単調な作業を繰り返して疲れたときや昼休みにリラックスしたときなどは眠気が起こります。軽い眠気であればカフェインを摂るなどして対処できますが、眠気が強すぎてコントロールしにくい場合は仮眠がおすすめです。適切な仮眠によって脳を休めることで眠気が解消され、集中力アップ効果が期待できます。

仮眠を取る際の注意点は、仮眠時間を15分から20分程度にとどめることです。30分以上眠ると、睡眠が深くなりすぎてしまい目覚めにくくなります。また、長すぎる仮眠によって睡眠リズムが崩れると、夜になかなか寝付けなくなってしまうでしょう。

3-4.ストレスを発散できる趣味を見つける

ストレスをため込まないためには、自分なりのストレス解消方法を見つけることも大切です。好きな物事に没頭することでストレスから離れて満足感を得やすくなり、また運動や外出などによってほどよい疲労を感じて寝付きやすくなります。趣味のためにまとまった時間を確保しにくい場合は、カフェなどでのんびり過ごすだけでも気分転換に役立つでしょう。

ただし、趣味と称してテレビやスマホ・パソコンを目的もなく見続けたり、ひたすら寝て過ごしたりすることはおすすめできません。朝に日光を浴びず、ほとんど体を動かさないまま過ごすと睡眠リズムが乱れ、かえって疲れが残りやすくなるためです。また、ネットサーフィンなどでネガティブな情報を見聞きして、精神面に悪影響が及ぶ危険性もあります。

新しい趣味を見つけたい場合は、いきなり大がかりな趣味に手をつけるよりも、あまりお金がかからず短時間で楽しめる趣味を試すとよいでしょう。

まとめ

ストレスがたまると自律神経が乱れて睡眠の質が落ち、不眠や日中の眠気などを引き起こすことがあります。ストレスの蓄積を防いで健康的な睡眠を維持するためには、普段から意識して生活習慣を整えることをおすすめします。また、自分なりの気分転換や趣味を見つけることも重要です。

仕事中に長時間使っているデスク・チェアや頻繁に使用する備品などが原因で、知らず知らずのうちにストレスを受けている人も少なくありません。オフィスアイテムを新調して小さなストレスを解消したい場合は、「オフィスコム」をご活用ください。

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