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快適な職場環境とは?「音」でできる改善とオフィス改革をプロに聞いてみた!エムズシステム三浦社長インタビュー【1】

エムズシステム三浦社長インタビュー

働き方改革が進んでいる中、職場環境の見直しについても昨今注目が集まるようになりました。社員が快適に従事できる職場環境とはどのような要素が大切なのでしょうか?

今回は職場の「音」に注目し職場環境に音がどのように活用できるかを、さまざまな空間の音響プロデュースで評価を得ているエムズシステムの三浦社長にお話をお伺いしてきました。インタビュアーはオフィスコム株式会社 商品企画部 本部長の那波です。

1.快適な職場環境とは

1.快適な職場環境とは

Q. 那波 快適な職場環境作りのために三浦社長が重要だと思う要素とその理由を教えてください

三浦 一番大切なのは、「社員がリラックスして働ける環境にできているかどうか」という点だと思っています。質の良い仕事をするためには、人間関係も含めてリラックスできる環境を作ることが重要です。職場の環境がゆるい雰囲気というか、リラックスしやすい環境であれば自然と人間関係もよくなっていくことがあると考えています。裏を返せば、職場環境に緊張する要素があるとピリピリした空気が伝達し、職場の雰囲気もピリピリしてしまうでしょう。空気が張り詰めているような緊張状態は、仕事の質が高まらない要因になるので、職場が快適な心地よい雰囲気であるということが大切です。

Q. 那波 職場環境そのものが緊張している例について教えてください

三浦 例えばですが、密な環境は緊張しやすい例になると思います。具体的にはフロア内のデスクの数が多いことで通路が狭くなってしまっている場合などは、結果としてフロア内の人の人数も多くなってしまうので圧迫感が出てしまいます。こういった場合には空間に漂う音の質を高めることでうまく執務室の空気を変えるなどの工夫が必要だと感じます。

2.「音」を活用した職場環境の改善について

2.「音」を活用した職場環境の改善について

Q. 那波 先ほどの要素の中で、「音」で改善できそうなものはありますか?

三浦 はい、職場環境にはPCの稼働音など耳にすると緊張してしまう刺激音が多く存在します。これらのノイズを感じさせないようにするために、適度な音を職場環境で流すことが有効です。これはサウンドマスキングという考え方で、緊張感を醸成してしまう雑音を心地よい質の高い音で包み込むことで気にならなくする効果が期待できます。

ただ、音=音楽をただ流せば良いというわけでもなく、音の質、選曲も職場環境作りには重要な要素です。一例ですが、J-POPなど人によって好みが分かれる音楽は集中力が削がれる場合があります。選曲の際には考え方のひとつとしてバイオフィリアの概念を取り入れるのも良いと思われます。

Q. 那波 緊張を作り上げてしまう刺激音にはどんなものがありますか?

三浦 職場環境に限定してお答えすると、例えば先ほどもお話ししたようなPCの稼働音などです。他には電話の通話音やエアコンの風の音やスタッフの会話も刺激音です。

例えば固定電話の着信などはわかりやすく、電話が鳴るとフロアの全員がその音を気にしますよね。その後誰かが電話を取ったとしても、会話内容がどうしても耳に入ってしまったりする、というのは経験がある方も多いのではないでしょうか。刺激音が聞こえる環境だと、注意力がその音に向いてしまうので空気が張り詰めるような状況になることも少なくないでしょう。

Q. 那波 特定の音楽が職場環境を改善できないという理由をもう少し詳しく教えてください!

三浦 流行曲などよく耳にするメロディーラインがBGMとして流れると、音楽に意識が行ってしまい集中力が散漫になることがあります。他には、音が聞こえる強さが場所によって違う性質(指向性があるスピーカー)の場合、スピーカーに近い人にはうるさいし、遠い人にはうまく聞こえず期待した効果が発揮できない場合もあります。

3.実際にあった「音」の波動を活用した職場環境の事例について

3.実際にあった「音」を活用した職場環境の事例について

Q. 那波 「音」環境の改善で職場の空気が良くなった事例はありますか?

三浦 もともと総務部と法務部が入っているフロアで音響システムを導入している会社があったのですが、全体的に堅苦しい空気でリラックスできる職場環境とは言い難い状況でした。

そこで導入している既存のスピーカーをエムズシステムに変更したところ、まず専務が音のよりよい変化に気づきご自身の過去のバンド経験などの話題を話しはじめたことをきっかけに、職場の重苦しい空気が改善されていったとのことです。これは、音の良さに気がついた専務の話題提供が最初のきっかけですが、雑談ができる余裕のあるリラックスした雰囲気を音が作り上げた良い事例でもあると考えられます。

その際に流していた音楽はクラシックでしたが、音が職場全体の空気を心地よく振動させており、その微細な振動がフロア全体にリラックスできる雰囲気を作り出せたのだと思います。

Q. 那波 オフィスの改装やリニューアルで「音」環境を改善した事例はありますか?

三浦 ある会社さまは働き方改革の一環として、本社ビルの改装を計画していた際に参考になる取り組みをされていました。もともと昼食後に休憩の方法として仮眠を推奨してはいたものの、リラックスして寝られるところがない点を課題として挙げられていました。その改善案として、まずは社員食堂を多目的用途で使えるようにと、朝11時から終日オープンし、新しいスピーカーの導入も計画していました。

そこで導入にあたり試験的に「お昼寝OKのセミナー」を実施したのですが、その結果は非常に興味深いものでした。お昼休みの12時半から「演奏家のいない演奏会」と題しセミナーを実施し、コーヒーなどの持ち込みや仮眠を推奨という名目で実施しました。その際に導入を検討しているエムズシステムのスピーカーを東京オフィスと大阪オフィスに設置し、オンラインで両オフィスを繋ぎつつ同じ音楽を流しました。結果はどちらのオフィスも見事に爆睡する社員が多く、非常にリラックスした空間を実現できました。

このテストを踏まえ社員食堂にスピーカーを導入したところ社員食堂を利用した社員からの好評の声が大きく、東京・大阪どちらのオフィスでも本格導入する結果となりました。現在は執務室や会議室だけではなく、エントランスロビーや研究室にもスピーカーをご導入いただき職場環境を改善されています。

4.まずはここから!「音」を活用したオフィス改革を始めるには

4.まずはここから!「音」を活用したオフィス改革を始めるには

Q. 那波 「音」でオフィス改革に取り組む場合、何から始めるのが良いですか?

三浦 まずは自然界のサウンドや楽器の鳴り方に近い、心とからだによいスピーカーを導入することがおすすめです。サウンドマスキングを実現できればそれだけでも職場環境は大きく改善されますが、そのためには空間全体をバランスよく包み込むフロア全体に緩く流れる音が必要です。

この要素を実現するには指向性スピーカーだとどうしても死角ができますので、空気に馴染む音を自然と出力できるスピーカーを導入することで専門知識や音の出し方に気を遣う必要がないぶん簡単に環境改善ができるのではないかと考えます。

まとめ

快適な職場環境は、社員がリラックスして働ける雰囲気をいかに作れるかが重要なポイントです。雰囲気作りに「音」を活用することはとても有効な手段です。指向性の強いスピーカーや集中を邪魔する音楽を使わずに、フロアの雑音を消しつつ空間を包み込むような音に気を配ることで、より快適な職場環境を実現できるでしょう。

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プロフィール

有限会社エムズシステム 代表取締役 三浦光仁

インタビュー回答者

有限会社エムズシステム
代表取締役
三浦 光仁

20年勤めた百貨店のバイヤーから、NGO活動レインフォレストジャパンに参画。2000年にエムズシステムを設立。2003年にエムズシステムスピーカーMS1001を発表。以来、世界中の人々の暮らしの空間を『音』によってより豊かに整えて行くことを目指す。

オフィスコム株式会社 商品企画部 本部長 那波 伸晃

インタビュアー

オフィスコム株式会社
商品企画部 本部長
那波 伸晃

オフィス家具業界歴13年、オフィスコム創業期のメンバー。数々のヒット商品を生み出し、ユーザー目線での商品開発を得意としている。

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