更新:

業務改善とは?4つの効果・メリットと改善の流れを簡単に解説!

会社組織の仕事効率を向上させたいとき、まずは社内の業務改善を行う必要があります。
業務改善は社員の働き方や意識を改革する方法であり、現代の企業が取り組むべき課題の一つです。

業務改善をどのように進めれば良いのか、わからない経営者や管理者の方も多いのではないでしょうか。

今回は、業務改善を実施することで得られる効果・メリットを交えて、実際に進める際の流れやポイントを解説します。

1.「業務改善」とは?

業務改善とは、その名の通り「業務の改善」を目的に、企業の事業における課題を発見・解決し、効率的な仕事環境を作り出すことです。

ビジネス活動ではヒト・モノ・カネ・情報といった多くの資産が動き、顧客に価値ある商品・サービスを提供することで利益を上げています。

しかし業務がスムーズに進まず、製品の品質が想定よりも低い場合、企業は本来の利益を獲得できません。

企業が業務停滞に陥る原因は、経営状態や業務体質など状況によって異なります。

1-1.業務停滞に陥る原因「ムリ・ムダ・ムラ」への取り組み

業務停滞に陥る原因「ムリ・ムダ・ムラ」への取り組み

企業が業務停滞に陥る主な原因は、「ムリ・ムダ・ムラ」の3つです。

〇ムリ
達成が難しいスケジュールや成果のために、かかる負荷が能力を超えている状態

〇ムダ
かかる負荷が能力を大きく下回り、過剰生産や余分な動作が生まれる状態

〇ムラ
ムリ・ムダが混在し、タイミングによって仕事効率が大きく変化する状態

例えば、上司が部下の作業量を把握できていない状態では、部下に対して能力以上の業務を割り振る「ムリ」が発生します。
一方、社員一人ひとりが正しい作業工程を知らなければ、仕事において余分な動作を行う「ムダ」が生まれてしまうものです。

「ムリ・ムダ・ムラ」は、作業量を軽減したり、現場指導をしたりといった行動によって、短期的には解決できます。
しかし、長期的に「ムリ・ムダ・ムラ」が発生しない労働環境を作るためには、業務全体を通して解決を図ることが不可欠です。
それぞれの原因を正しく見極めて、状況に応じた業務改善を図らなければなりません。

具体的には、「ムリをなくす・ムダを減らす・ムラが出ないよう変える」取り組みが必要です。
業務改善は「ムリ・ムダ・ムラ」をなくし、企業が保有資産を有効活用できる状態にすることを目的としています。

2.業務改善による4つの効果・メリット

業務改善による4つの効果・メリット

企業活動における業務改善は、達成すべきゴールをしっかり設定することが重要です。
企業内における資産の流れや作業工程を形式的に見直しても、業務改善は成功しません。

業務改善は企業にとって4つの効果・メリットがあります。
ここから紹介する事項を参考に、設定したゴールが達成できるよう業務改善を進めましょう。

2-1.業務の効率化

現場で行う仕事の中には「昔からのやり方」「今の手順が一番慣れている」といった理由で、実際はムダな工程が多い作業を続けるケースも少なくありません。
ムダの多い業務は作業効率が悪く、労働意欲・人件費・時間など多くの資産を浪費してしまいます。

業務改善の一環として作業工程を見直すことで、業務の効率化を達成できます。
例えば「二重の確認・登録作業」や「部門間の意思疎通不足によるタイムロス」は、作業工程に問題があることによって生じるムダです。
「業務フローを改善して確認作業を減らす」「部門間のやりとりはWeb上で完結させる」といった対策により、効率性の向上を図ることができます。

2-2.生産性の向上

生産性の向上ができる点も、業務改善を行うメリットです。
企業の生産性は、投入した経営資源に対して、いくらの成果を出せたかで示されます。

生産性の向上を目的とするときは、業務にかかる時間も含めて考えましょう。
例えば、業務における1人あたりの作業時間が30分短縮できた場合、従業員10人では300分の短縮となる計算です。
短縮した時間は別作業に当てることもできるため、企業全体における生産性の向上をさらに進められます。

2-3.労働環境の改善

労働環境の改善とは「従業員にムリな業務をさせない」「作業時間のムラをなくす」といったことを指します。
例えば、特定の従業員に対して能力を超える仕事量が割り振られている場合、従業員は十分なパフォーマンスを発揮できません。
業務改善を行うとムリが生じている箇所を把握できるため、労働環境の改善ができます。

ムリな業務をさせないためには、従業員へ均等に業務を割り振るタスク管理システムが必要です。
あわせて、オフィス用品などへの設備投資も行いましょう。
働きやすい職場環境では忙しい人と暇になる人が混在することなく、作業時間のムラも生まれません。

2-4.コストの削減

企業全体のコストを削減したい場合、業務にかける経費や業務そのものを削減するべきか考える方も多いのではないでしょうか。 しかし、経費削減は商品・サービスの品質低下を招き、業務削減すると他社との競争力を削ぐ可能性があります。

業務改善は、コストの削減を実現しながらも、企業の利益や競争力を犠牲にしない方法です。
業務におけるムリ・ムダ・ムラを排除することで、企業の経営資源が効率的に働く状態に改善できます。

3.業務改善を進めるための重要なポイントと流れ

業務改善を進めるための重要なポイントと流れ

業務改善をスムーズに進めるためには、さまざまな下準備を行う必要があります。
現在問題を抱えている箇所にこそ改善が必要であるため、準備もなく業務改善を実行しても成功しません。

ここからは、業務改善を進める際の基本的な流れと、重要なポイントを3つに分けて解説します。

3-1.すべての業務の見える化と課題の洗い出し

最初に、すべての業務について見える化を行います。
業務の見える化は、「各部署が何の業務を担当しているのか」や「他部署との業務における関係性」を把握するためのものです。
現場の声も聞きながら、日常的な業務だけでなくイレギュラーに発生する業務も把握する必要があります。

現状について見える化ができたら、問題点を見つけて課題の洗い出しをしましょう。
業務の問題点は「ムリ・ムダ・ムラ」により起こっています。
1つの問題点を見つけたら、「担当者・発生頻度・原因・改善方法」など複数の項目で課題を細分化して分析してください。

3-2.業務の優先順位を付ける

次に、改善を進める業務の優先順位を付けます。
1つの業務で課題や改善方法が見つかっても、すぐ改善に取りかかれば高い効果が見込めるというわけではありません。
業務改善のプロセスを考えるためには、改善対象の優先順位を付ける必要があります。

優先順位は、下記2点の内容で考えましょう。

〇改善の難易度
解決策に要する費用や時間などのコスト

〇改善による効果
業務効率化や生産性向上など改善により得られる効果

優先順位の上位は、「改善の難易度が低く、改善による効果が大きい」業務です。
逆に「改善の難易度が高く、改善による効果が小さい」業務は、優先度が低いと言えます。

業務の優先順位を付ける

優先順位を付けた後は、改善計画を作成します。
改善の目標や方法とともに、改善前後の変化を数値などデータとして残しておくと、業務改善による効果を評価できます。

3-3.システム化・マニュアル化で情報共有をしやすくする

最後に、改善計画に沿って業務改善を実行します。
実行中も改善計画の進捗状況を把握し、都度評価を行いましょう。
計画通りに進まないときは、改善できた点とできなかった点をリストアップし、改善計画の修正を行います。

業務改善の効果を高めるためには、必要部署へ素早く情報共有できる体制が必要です。
情報共有ツールを導入してシステム化したり、業務フローにおける変更点をマニュアル化したりすることで、担当者はいつでも最新の情報を確認できます。

まとめ

業務改善とは企業が保有する資産を有効活用できる状態にして、企業の利益を高めることです。
企業の業務には「ムリ・ムダ・ムラ」と3つの解決すべき課題があり、放置したままでは業務がスムーズに行えません。
業務改善により課題を解決することで、業務効率化・生産性向上・労働環境改善・コスト削減といった効果が得られます。

業務改善は紹介した3つの流れで進めることが重要です。
業務の見える化から課題を洗い出し、優先順位を付けることで効果的な改善計画が立てられます。
改善した業務はシステム化・マニュアル化して、素早く情報共有できる体制を整えましょう。

↑ ページの先頭へ