プロにインタビュー!コロナ前後でのオフィス用品・家具需要の変化
新型コロナウイルスによって人々のワークスタイルが大きく変わり、求められるオフィス用品や家具の需要にも変化が見られます。自宅用に初めてオフィスデスクやオフィスチェアを購入された方も多いのではないでしょうか。コロナ前後でオフィス家具の需要がどう変わったのか、その道のプロにお伺いしてきました。
今回インタビューに応じてくださったのは、オフィスコム株式会社 商品企画1部・課長の三ツ橋様です。
- 目次
- 1.コロナ前後のオフィス家具需要変化の傾向
- Q. リモートワーク向けの個人のオフィス家具需要はどう変わりましたか?
- Q.オフィスワーク向けの法人のオフィス家具需要の変化はどうでしょうか?
- Q.オフィスコム内で福利厚生等で従業員に支給された商品はありますか?
- Q.ショールームへの来場状況の変化はどうでしたか?
- 2.商品カテゴリー別のオフィス家具需要の変化
- Q.オフィスデスクの需要はどう変わりましたか?
- Q.オフィスチェアの需要はどうでしょうか?
- Q.キャビネット・スチール用品等の収納用品はどうでしょうか?
- Q.その他のオフィスインテリア用品等で見られた変化を教えてください
- 3.オフィスコムがこれまで以上に注力している商品
- まとめ
- インタビュー回答者とインタビュアーの紹介
1.コロナ前後のオフィス家具需要変化の傾向
Q.リモートワーク向けの個人のオフィス家具需要はどう変わりましたか?
三ツ橋 コロナによる仕事環境の変化でリモートワークが増加し、個人の方のご注文は全体的に増えました。ご家庭でも利用しやすい比較的コンパクトなデスクや、コンセントがついているデスクが売れる傾向にあります。
また、個人では今まであまり購入されていなかった高機能チェアや、家の中を仕切るためのパーテーションの需要も高まっています。ディスプレイの需要も増えたのですが、家の中での作業スペースをできるだけコンパクトにするためなのか、机上ラックもあわせて売れるようになりました。
Q.ゲーミングデスク・ゲーミングチェアを仕事でも併用される方は多いのでしょうか?
三ツ橋 宣伝効果も大きいと思いますが、最近は特に注文が増えている商品ジャンルのひとつです。ゲーミングデスクやゲーミングチェアは高機能なものが多く、仕事用にも使えるものがほとんどなので、普段ゲームをされる方が在宅勤務になったタイミングで購入されたケースはあると思います。また、見た目もかっこいいので、そういった意味でも需要は伸びてきているように感じます。
Q.個人消費が増えて以前より多くなった質問や問い合わせはありますか?
三ツ橋 カスタマーサービスへのお問い合わせ自体が多くなりました。特に多いお問い合わせは納期についてとアルコール消毒などコロナへの感染対策についてです。コロナ対策は例えば、「アルコール消毒をしても問題ない素材かどうか」や、「天板が抗菌・抗ウイルスかどうか」という種類の質問ですね。現在では抗菌対応をしている商品も増えてきています。
他には、「組み立てた後に解体できるか」という質問もよく聞かれます。在宅勤務が終了する可能性を考慮して、不要になった際の処分や収納のしやすさを購入時から意識しているお客様が多いと感じています。
Q.オフィスワーク向けの法人のオフィス家具需要の変化はどうでしょうか?
三ツ橋 まず、高機能チェアは法人向けにも需要が高まりました。他には特に仕切りとして利用できるパネルやパーテーションが大きく売り上げを伸ばし、コロナ以前と比べて2倍以上売れています。
一方で人が集まる形の会議が減り、Web会議が増えたため、人が集まる場所に置く商品は全体的に売れなくなりました。具体的には会議に使用するホワイトボード、会議用テーブル、会議用チェアなどは全体的に売り上げが伸び悩みました。ホワイトボードはホワイトボード自体の需要は下がりましたが、パーテーションとしても利用できるホワイトボードは売れている傾向があります。
会議テーブルの中でも、キャスター付きで移動がしやすくレイアウト変更しやすいものは売り上げが伸びています。
Q.オフィスコム内で福利厚生等で従業員に支給された商品はありますか?
三ツ橋 弊社の場合は部署によりますが、まずはノートパソコンを支給しました。その後、ノートパソコンではやはり画面が小さいということで、必要な部署にはディスプレイモニターを支給しました。他社の傾向ではオフィスチェアや小型デスクの家庭での需要増が見られるので、同じようなものを支給されている企業様も多いのではないかと思います。
Q.ショールームへの来場状況の変化はどうでしたか?
三ツ橋 最初の緊急事態宣言の期間はショールームを休業し、その後は徐々に様子を見ながら完全予約制で対応しています。ショールームへの来場者数自体は減りましたが、来場時に商品をお買い上げいただける頻度は増えました。完全予約制にしたことで、商品を購入する意向が高い方や確認したい内容が明確にある方が増えたためでしょう。
2.商品カテゴリー別のオフィス家具需要の変化
Q.オフィスデスクの需要はどう変わりましたか?
三ツ橋 コンパクトな商品やコンセント付きのデスクに人気が集まっています。個人向けの需要が増えたことは先述しましたが、コンパクトな商品は法人向けにも人気が出ています。また、この機会にフリーアドレス化に変更している企業が増え、フリーアドレスデスクの需要も増えています。
Q.オフィスチェアの需要はどうでしょうか?
三ツ橋 高機能な商品やゲーミングチェアの需要が伸びました。在宅ワークで腰が痛い、肩が痛いといったお悩みを聞く機会が増えたため、弊社では高機能チェアのラインナップを増やしました。特別定額給付金支給のタイミングで高機能チェアの注文が増えたので、給付金で在宅ワーク環境を整えるべくまずチェアを購入した方が多いのではないでしょうか。
Q.キャビネット・スチール用品等の収納用品はどうでしょうか?
三ツ橋 オフィスに出社する頻度が減ったためか、収納系は全体的に注文が減りました。フリーアドレス化に対応が可能なロッカーとしても使えるキャビネットは注文が少し増えました。
実際に弊社でもフリーアドレス制が導入され、キャビネットに自分の仕事に必要なものを収納して、予約した席にキャビネットごと運ぶというような使い方をしています。今後も必要最低限のものを持って出社するスタイルが続くのではないかと予想しています。
Q.その他のオフィスインテリア用品等で見られた変化を教えてください
三ツ橋 特徴的だったのは消毒液を新たに設置する企業や施設が増えて、消毒台が一時品切れになりました。品切れ当時は代替品として電話台を利用するケースもあったくらいです。
あとはパーテーションの需要傾向が変わりました。コロナ前は目隠しでお互いを見えにくくする用途でしたが、コロナ後は仕切られていても人が見える安心感や飛沫予防できる商品が求められるようになり、透明のパーテーションの需要が伸びました。
3.オフィスコムがこれまで以上に注力している商品
Q.個人向けの注力おすすめ商品を教えてください
三ツ橋 在宅ワークで座り仕事が長時間続いて体への疲労が溜まってくると思いますので、働く姿勢を変えられる昇降デスクがおすすめです。値段も機能もピンキリですが、デスクは電動で昇降できる商品が使いやすいです。
他には私も愛用しているのですが、机上ラックがおすすめです。自宅のデスクだとノートパソコンを置くとディスプレイを置くスペースが狭くなってしまうことがあると思うのですが、机上ラックがあればラックの下に折り畳んだPCを置き、デスクのスペースを残したままディスプレイを利用できます。
昇降デスクの商品一覧はこちら
Q.法人向けの注力おすすめ商品を教えてください
三ツ橋 フリーアドレス制を導入する企業が増えて、社員の方々は週に数回の出社になるケースが多くなると思います。そのときの気分や用途にあわせて仕事をする環境を変えやすい、移動が手軽にできるキャスター付き商品がおすすめです。
キャスター付きのオフィスデスク、オフィスチェアをあわせて利用すればレイアウト変更もしやすくなります。気軽にレイアウト変更できれば、柔軟な出社ローテーションも組めて便利です。
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まとめ
コロナによるオフィスワーク、自宅でのリモートワークの環境変化に対応して、需要も大きく変化していることがわかりました。仕事環境や用途にあったオフィス家具選びのうえ、一人一人に合わせた快適な作業環境を構築していきましょう。
インタビュー回答者とインタビュアーの紹介
インタビュー回答者
オフィスコム株式会社
商品企画1部・課長
三ツ橋 友彦
前職ではインテリア全般の商品やオフィス家具など様々な企画・開発業務に携わる。オフィス家具開発歴18年。トレンドを取り入れながらも使いやすさを常に意識した商品開発を心掛けている。
インタビュアー
lak dom合同会社
代表
石川 優貴
滋賀県庁、国土交通省、NHKなどを経験後、LINEにてLINE NEWSの編集に携わる。その後メディア事業の責任者を経て、フリーランスとして独立し、朝日新聞、HubSpotなどのSEOコンサルティング業務を担当。toB向け、toC向けに関わらず取材の対応も行っている。