仕事がキャパオーバーする原因と解決方法について解説
会社で仕事をしていると、自分に手に負えない仕事量を抱え込んでしまうこともあるでしょう。自分の処理能力を越え、キャパオーバーな状態が続いてしまうと、精神的にも追い込まれ、最終的にはメンタルのバランスを崩す恐れがあります。
当記事では、仕事におけるキャパオーバーについて、原因から解決策まで分かりやすく解説します。また、仕事におけるキャパオーバーの予防法も紹介しているため、仕事を進めていく上で悩みのある人は、ぜひご覧ください。
1.キャパオーバーとは?
キャパオーバーとは、あるものの許容量を超えてしまっている状態のことを指しています。体積の容量や人の能力的な許容範囲を示す「キャパシティ(capacity)」が、「オーバー(over)」、すなわち超えてしまっていることを示す、和製英語です。
キャパオーバーを起こしてしまうと、仕事が手につかなくなったり焦燥感にさいなまれたりする他、ストレスが溜まるなど、業務の遂行に支障が出てきてしまいます。このような状態を放置していると、最悪の場合メンタルのバランスを崩してしまいかねません。
では、キャパオーバーの状態は、なぜ起きてしまうのでしょうか。上手に仕事環境をマネジメントしていくためにも、まずはキャパオーバーの原因を認識しておきましょう。
2.キャパオーバーになる原因
キャパオーバーを引き起こす原因は、さまざまです。
中でも、以下の5つがキャパオーバーを引き起こす原因であると言われています。
- ・悩み事が多い
- ・時間的な余裕がない
- ・仕事の優先順位がつけられない
- ・ネガティブ思考が強い
- ・被害者意識が強い
ここでは、なぜ上記5つがキャパオーバーの原因となるのかについて詳しく解説します。
2-1.悩み事が多いため
キャパオーバーしてしまう人によく見られる原因として、悩み事を多く抱えていることが挙げられます。
仕事を進めていく上で、段取りや人間関係など考えるべきことはさまざまです。しかし、実際の作業へと向けるべき脳内のリソースを悩み事ばかりに向けてしまうと、現実の仕事は進みません。
悩み事を一人で抱えてしまうことも、キャパオーバーを引き起こす原因です。
2-2.時間的な余裕がないため
キャパオーバーとなる原因の1つに、時間的な余裕がないことも挙げられます。
とくに繁忙期や決算前はやるべき仕事が多数あるため、物理的に余裕がなくなる時期もあるでしょう。しかし、スケジュールに余裕がない状態を続けてしまっては、気持ちの余裕までなくなってしまいます。
気持ちの余裕がなくなってしまうと、ちょっとしたミスを引きずってしまったり、必要以上に神経質になってしまったりするデメリットが生じます。
2-3.仕事の優先順位がつけられないため
仕事の優先順位がつけられないことも、キャパオーバーの原因となります。期日まで猶予のある仕事を先に手をつけてしまい、緊急度の高い仕事の期日に追われてしまう事態は、よく見られる現象です。普段からスケジュール管理を正確に実施している人でも、仕事の優先順位が分からなくなってしまうことも少なくありません。
仕事の優先順位がつけられるかどうかで、キャパオーバーを起こしているのかを把握することができます。キャパオーバーになりかけているサインを見逃さず、一度立ち止まり、仕事の優先度を見直しましょう。
2-4.ネガティブ思考が強いため
過度なネガティブ思考は、仕事上のキャパオーバーへとつながります。
たしかに、問題点や懸念すべき事項などマイナス面を想定することは、仕事を進めていく上で必要なステップです。しかし、悪い要素ばかりを考えてしまい、ネガティブ思考が強まると、逆に思考停止の状態となり、悪循環が起こります。
スケジュール的には何も問題ない仕事でもキャパオーバーを引き起こしてしまう人は、自分がネガティブ思考へと偏ってしまっていないか省みることが必要です。
2-5.被害者意識が強いため
キャパオーバーとなる過程では、被害者意識が強いことも原因となり得ます。
上司や同僚の励ましや何気ない会話は、通常であれば仕事を進めていく上での力となるものです。しかし、被害者意識が強くなってしまっている状態では、そのような言葉もプレッシャーや悪口と受けとってしまうことがあります。
周囲からかけられた言葉によってプレッシャーを受けていると感じた場合は、まずは何に対して追い詰められているのかをはっきりさせるとが大切です。
3.キャパオーバーの解決方法
前述のように、さまざまな要素が原因となり引き起こされたキャパオーバーの状態が続くと、身体的にも精神的にも大きな負担となります。そのため、自分がキャパオーバーであることに気づいたら、できるだけ早く解決しましょう。
ここからは、キャパオーバーを起こした際の解決方法について紹介します。
3-1.自分が対処できる仕事量を周囲に伝える
物理的に仕事量が過剰で、自分の処理能力の限界を超えてしまっている場合は、職場の上司や同僚へ業務量が多すぎることを伝えましょう。
「できない」ことを人に告げることに対して、恥ずかしさを感じる必要はありません。逆に、自分の処理能力を客観的に分析し、的確に周囲へと伝えることも1つの能力です。
自分が対処できる作業量を事前に伝え、理解してもらうことで、無茶な仕事を頼まれることを少なくすることができます。
3-2.休暇をとる
キャパオーバーの状態が続き、肉体的にも精神的にも疲れている場合には、休暇をとりましょう。有給休暇が残っていれば、有給申請を行うこともおすすめです。
有給休暇をとれなくても、以下のように肉体的・精神的な休息をとる方法はたくさんあります。
- ・睡眠の質を高める
- ・休日を利用して、何もしない時間を作る
- ・趣味に没頭し、気分転換を図る
睡眠不足は、心身にとって負担をより大きなものとしてしまいます。
仕事とプライベートのオン・オフをはっきりとさせ、心身をリフレッシュさせることが、キャパオーバーから脱する一番の方法です。
3-3.信頼できる人に相談する
仕事でキャパオーバーとなってしまったら、信頼できる人に相談することも1つの方法です。一人で悩み続けるよりも、アドバイスを受けることで一気に解決に近づく場合があります。
相談相手は会社の上司や先輩だけでなく、家族や仲間でも構いません。たわいない会話をする中で、自分の頭の中を整理することができたり、マイナスな感情を吐き出したりすることができます。
4.キャパオーバーは予防できる
普段から以下の点を押さえることでキャパオーバーを予防でき、仕事を円滑にマネジメントすることが可能です。
- ・他人に気を遣いすぎない
- ・できない仕事だと感じた場合は断る
キャパオーバーを引き起こす原因や対処法を見ても分かるように、キャパオーバーはメンタル面でのバランスが大きく関係しています。
そのため、仕事を進めていく上では他人に気を遣いすぎないことが重要です。周りの人に気を遣えることは、人として魅力的な長所と言えるでしょう。しかし、他人に気をとられすぎてしまうと、メンタル面でのパワーを大きく消費してしまいます。
仕事を進めていく上で求められることは、任された仕事を全うすることです。どうしても気が進まない飲み会や行事は欠席するなど、自分自身の健康面は人任せにせず、自分で管理していく習慣を身につけましょう。
また、キャパオーバーを防ぐためには、自分の処理能力を把握し、できない仕事だと感じた場合は断ることも大切です。
仕事を積極的に受ける姿勢は、素晴らしい態度です。しかし、そのためにキャパオーバーとなってしまえば元も子もありません。
仕事を依頼する側も、相手が自分自身で取捨選択できるものと信頼して依頼する場合がほとんどです。そのため、明らかにできそうもない仕事については、事前に断るようにしましょう。
まとめ
キャパオーバーとは、精神的にも肉体的にも、許容量を超えてしまっている状態です。キャパオーバーとなる原因には、さまざまな要素があります。悩み事やネガティブ思考、被害者意識といったメンタル面での問題から、時間的な余裕がないといった物理的な要因などです。
キャパオーバーの状態が続くと、最終的に体調を崩してしまう恐れもあるため、速急な対策が必要です。自分のできる仕事量を周囲へ伝えたり、休暇をとって心身を休めましょう。
キャパオーバーの予防策には、日ごろから他人に過度に気を遣わず、できない仕事は断る勇気を持つことが挙げられます。
今回の記事を参考に、キャパオーバーを事前に防ぎ、心身ともに健康的に仕事を行いましょう。