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創造性を高めるクリエイティブ・オフィスのメリット&導入方法を紹介

近年はSNSを活用したPRなど、商品やサービスを伝える手法も多様化しました。従来のように価格の安さやデザインの良さのみをアピールする方法とは異なる、話題性を持つアイデアが求められています。

マーケティングや商品開発に関わる創造性は、同時に売り上げをはじめとした企業のあらゆる面を成長させるための重要な要素です。

当記事では、業種問わず従業員の創造性や感性を高めるクリエイティブ・オフィスを導入するメリットを紹介します。また、クリエイティブ・オフィスを作るポイントや、おすすめの仕掛けについても紹介しているため、企業を成長させたいと考えている方は、ぜひご覧ください。

1.企業を成長させる「クリエイティブ・オフィス」とは?

企業を成長させる「クリエイティブ・オフィス」とは?

クリエイティブ・オフィスとは、2007年より経済産業省の主導によって普及された知識創造行動力を誘発するための空間やツールを指す言葉です。オフィスをひとつのコミュニティあるいはエコシステムととらえ、組織を円滑に機能させるための取り組みによって従業員のモチベーション向上につなげます。

下記2つを兼ね備えたうえで、最大限の創造性を発揮させるための環境が整えられたオフィスが、クリエイティブ・オフィスです。

  • 空間・ICTツール・従業員への改革
  • 企業目標やプロジェクトのゴールに向けたマネジメント

単純にブランドカラーを多用したオリジナリティあふれる内装のみでは、クリエイティブとは言えません。あくまで、従業員同士のコミュニケーションやモチベーションに、良い影響を与える空間を提供することが重要です。

2.クリエイティブ・オフィスを導入する4つのメリット

クリエイティブ・オフィスを導入する4つのメリット

行政が働き方改革の一環として、クリエイティブ・オフィスを推奨する理由は、大きなメリットがあるためです。

手法のひとつとして、たとえば従業員へ特定のデスクを用意しないノンテリトリアル・オフィス(フリーアドレス席)があります。決まったデスクがないことは不便なように見えますが、近年は多くの企業が導入するほど当たり前の手法となりました。

では、このようなクリエイティブ・オフィス化はどのような良い影響があるのでしょうか。

ここでは、クリエイティブ・オフィスを導入するメリットを4つ紹介します。

2-1.コミュニケーションの活性化

ノンテリトリアル・オフィス(フリーアドレス席)など、クリエイティブ・オフィスはオープンな空間が基本です。そのため、部署の垣根を越えて従業員同士のコミュニケーションが取りやすく、互いに刺激を受けられる環境が整っています

従来のオフィスでは知り合えない者同士が出会うことで、話題のバリエーションが増え、新しい価値観が抱えている難問の糸口となる場合も少なくありません。

上司との物理的な壁もないため相談・報告しやすく、従業員同士が信頼し合えるチームへ成長します。

2-2.モチベーションの向上

部署の垣根を越えられることや、上司との壁がなくなるメリットは、モチベーションの向上にも一役買っています。互いに仕事の進捗が自然と視界に入りやすく、仲間や後輩の成果が良い刺激を生み出してくれるでしょう。

同期入社した相手が、同じ部署にいるとは限りません。オープンな空間では異なる部署であっても顔を合わせる機会が多くなるため、相手の成長が手に取るように分かります。そのため、部署の配置や担当案件に関係なく、ライバル同士互いの競争心を刺激し合える関係を築くことが可能です。

2-3.仕事のスピードアップ

オープンな空間は、モチベーションの向上につながる良い面のみが見えるとは限りません。場合によっては、問題が起こっている同僚や部下の顔を見ることもあるでしょう。

しかし、クリエイティブ・オフィスは、そのようなマイナス面にも良い影響が期待できます。トラブルの発生に気づきやすく、伝えやすい環境のため、即座にカバーが可能です。

問題が発生していないときも、互いの進捗状況を目にできることでスケジュール把握がしやすく、臨機応変に動く習慣づけにつながります。結果、問題の有無に限らず、仕事全般のスピードアップが期待できるでしょう。

2-4.アイデアの創出

アイデアの創出

専門家ではない素人の一言が歴史に残る発明を生み出すことは、いずれの業界でも珍しくないことです。オープンな空間で部署や立場を超えた雑談ができる環境は、アイデアを生み出すために最適な条件が整っています。

さまざまな部署の従業員が異なる業務を行っていたり、普段の自分が耳にすることのないような話題に花を咲かせていたりと、情報にあふれた環境です。

また、自由に席を移動できることで新鮮な刺激を受けやすく、作業に適した環境選びもできることから、自由な発想が期待できます。

3.クリエイティブ・オフィスを作るポイント&おすすめの仕掛け

クリエイティブ・オフィスを作るためには、単純にオープンスペースを導入すれば良いものではありません。業務内容や従業員個人の性格・集中しやすい環境が異なることを加味したうえで、誰もがのびのびと働ける空間にすることが重要です。

ここからは、クリエイティブ・オフィスを作る際に押さえておくべき3つのポイントを紹介します。

3-1.従業員同士の信頼感やネットワークを作る

従業員同士の信頼感やネットワークを作る

従業員同士が円滑にコミュニケーションを取り合ったり、新たなネットワークを作ったりできるスペースが必要です。固定席のない状態で十分に周囲とコミュニケーションを取れる場合もありますが、業務に追われて会話する余裕を持てない従業員もいるでしょう。

そのような従業員でも、ネットワーク作りができるような場所を意識して設置することが大切です。たとえば、コーヒーを片手に語り合えるような、休憩場所兼ミーティングスペースをオフィス内に点在させる方法があります。

スペースに余裕がある場合は、専用のカフェテリアやバーを設置したり、社内キッチンやライブラリーを設置したりすると、会社の自慢スポットとして人気が集まるでしょう。面積的に難しい場合は、テキスタイルデザインを一部変えて無料のドリンクとベンチを設置する程度で十分です。

また、仕事中に限らず、休憩中や外回り前など、わずかな時間に交わすことのできるコミュニケーションも重視してください。些細な日ごろのコミュニケーションが、従業員同士の信頼感を生みます。

3-2.多様なニーズを反映する

数人と話し合いながらアイデアを湧きあがらせることを好む従業員もいれば、一人で黙々とデータを集め、じっくり思考したいと思う従業員もいます。すべてをオープンスペースのノンテリトリアル・オフィスとした場合、一部の従業員は苦痛さを感じ、作業効率を落とす可能性がある点に注意しましょう。

もちろん、ノンテリトリアル・オフィスを好む方もいます。ただし、中には常にオープンスペースを望むタイプと、状況に応じて集中できるスペースへこもりたいと望むタイプが含まれるため、更に細分化されるでしょう。

このように、オフィスへのニーズは多様化することが大前提です。たとえばガラスで仕切りを作り、オープン感と適度な距離感を得られるスペースを用意するなど、従業員のタイプや気分に合わせられるよう、複数の選択肢が求められます。

3-3.社員の健康や安全に配慮する

東京23区の大手企業1万社を対象に行われた某ビル会社の調査によると、企業が入居するビル選びで重視する点は、耐震性でした。近年は地震以外にも大きな災害が多く、大企業はもちろん中小企業も従業員の安全に対する配慮が必要です。

また、海外企業や国内大手企業を中心に、近年は従業員の健康管理が行われています。たとえば社内食堂の改革や、従業員の健康への取り組みに対するポイント制度の導入など、建物以外のツールを活用した改革が活発です。

健康や安心は、いざというときへの対策となるうえ、日々の従業員の生産性アップにもつながります。建物の防災や健康管理などオフィスデザイン以外の快適性を重視することも、クリエイティブ・オフィスの一環です。

まとめ

会社の生産性を向上させるために、従業員の潤沢なアイデアや高いモチベーションは欠かせません。しかし現在、創造力を刺激するようなオフィス環境は整っているでしょうか。

経済産業省を中心に行政も推進しているクリエイティブ・オフィスは、ただオフィスをオープンスペースにして固定席をなくしたわけではありません。クリエイティブ・オフィスを作る際は、コミュニケーションが取りやすい場所を作ったり、集中したい従業員向けに仕切りのある場所を提供したりと、ニーズに応えたデザインが必要です。

会社の生産性を上げたいと考えている方は、今回の記事で紹介したポイントを参考に、ぜひ従業員の想像力を刺激するクリエイティブ・オフィス作りを行ってください。

また、オフィス家具通販のオフィスコムでは、働きやすいオフィスデザインの例を紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。

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