オフィスの節電アイデア10選!効率的に電気代を抑える方法
電気代が気になっている会社経営者や経理担当者の中には、手軽に始められる節電対策を探している人もいるでしょう。
経済産業省 資源エネルギー庁の「1日の電気の使われ方」によると、オフィスにおける電力の消費割合は、夏場のピーク時で、空調・照明・OA機器が全体の約8割を占めています。したがって、空調・照明・OA機器を中心に節電対策を行うことが、電気代削減において効果的です。
そこで今回は、効率的に電気代を抑えるオフィスの節電アイデア10選を紹介します。快適性を損なわずに行える方法が豊富にあるため、ぜひ参考にしてください。
1.【空調】オフィスの節電アイデア4選
オフィスの空調は消費電力がとくに多いため、節電対策をするうえで優先度の高い項目です。暖房や冷房などを年間通して作動させているオフィスは、なおさら早急に取り組む必要があるでしょう。
ここでは、空調の電気代を抑えるためのアイデアを4つ取り上げます。
1-1.エアコンの設定温度を適正化する
エアコンは設定温度と外気温との差が少ないほど、消費電力を減らすことができます。冷房を1℃上げると約13%の節電、暖房を1℃下げると約10%の節電になると認識してください。なお、環境省が推奨するエアコンの設定温度は、夏場が冷房28℃、冬場が暖房20℃とされています。
近年の夏は異常に暑く冷房温度をつい下げてしまいがちですが、節電対策をするなら少しずつでも適正温度に近づけていきましょう。冬場は一枚多く着込むことで体感温度を上げられるため、社員一人ひとりが意識を持てば、夏場よりも容易に電気代を抑えられるはずです。
地球温暖化防止の観点で見ても、積極的に取り組むべきでしょう。
1-2.扇風機やヒーターを活用する
エアコンの負荷を軽減させるため、他の電化製品を活用することも一つの方法です。扇風機で室内の空気を循環させれば、快適性が格段に向上します。設定温度までの到達時間も短くなり、始動後の急激な消費電力を減らすことも可能です。デスク周りに書類が多く、扇風機の風が気になるときは、サーキュレーターを使用します。
冬場はピンポイントで暖められる、ヒーターの活用がおすすめです。とくに寒さを感じている人の近くに置いてあげることで、電気代を抑えつつ全員が快適に仕事に集中できます。
1-3.定期的にフィルターを掃除する
定期的にフィルターを掃除すれば、空調の電気代を大幅に抑えられます。フィルターに大気中の塵やホコリが詰まると吸気効率が下がり、設定温度を維持する際に余計な電力を消費するためです。
フィルターは2週間に一度の掃除が理想であり、実現できれば夏場のピーク時で約4%、冬場のピーク時で約6%の節電につながります。現状でかなり汚れがある場合は、まずは十分に汚れを取り除いてください。本来の性能を体感できるとともに、フィルター掃除の重要性を認識することができます。
1-4.季節により終業時間を変える
季節によってオフィスの終業時間を変えることも、節電対策として有効です。前述のとおり、エアコンは室内温度と外気温に差があるほど消費電力が増加します。よって、夏場に始業時間を早めれば、エアコンがフル稼働する時間を短縮でき、消費電力を減らすことが可能です。
また、残業をしている少人数のために、広い室内でエアコンを効かせることは経済的ではありません。終業時間の見直しを図ることは、よい労働環境を作ると同時にオフィスの節電対策につながります。
2.【OA機器】オフィスの節電アイデア3選
パソコンやプリンターなどオフィスの必需品となるOA機器も、工夫次第で電気代を抑えることができます。とくに総務部や人事部などデスクワークが主体の職場では、節電対策の効果が顕著にあらわれるでしょう。
以下では、OA機器の節電アイデアについて詳しく解説します。
2-1.パソコンを省電力モードに設定する
パソコンは起動時に電力を多く消費するため、未使用時間が90分未満の場合は電源を切るよりも省電力モードのほうが効率的に節電できます。省電力モードは一定時間のキーボードやマウスの操作がないときに、自動でディスプレイの輝度を落としたり、スリープ状態に移行したりする便利な機能です。
Windows10を搭載したデスクトップであれば、「設定>システム>電源とスリープ」で省電力モードとなります。
なお、ディスプレイの明るさを調整することも、節電対策として有効です。
2-2.プリンターのスリープモードを使う
プリンターも、スリープモードを使えば電気代を抑えることができます。起動時のパスワード入力なども省けるため、仕事をするうえで効率的です。
業務用の大型プリンターは、家庭用とは比較できないほど多くの電力を消費します。しかし、スリープモードにより最大消費電力1500Wを約1.7Wまで抑えられるケースもあり、効果は絶大です。スリープモードを使っていない場合は、ディスプレイやボタン操作一つで設定できるため試してみましょう。
2-3.使わないときはコンセントから抜く
待機電力は年間電気代の約6%を占めるとされており、節電対策をするうえで見逃せないポイントです。明らかに使っていないOA機器はコンセントから抜きましょう。
デスクやキャビネットでコンセントの抜き差しが頻繁に行えない場所は、節電タップを使用します。節電タップは、スイッチの切り替えで簡単に待機電力を遮断でき、タコ足配線よりも安全性が高いことが特徴です。
節電タップを購入する際は「使用中の電源を誤って切ってしまう」といったトラブルを防げる、個別スイッチ式の商品を選びましょう。
3.【照明】オフィスの節電アイデア3選
オフィスの照明についても、取り組むことができる要素が複数あります。照明の間引きやLED照明への切り替えなど、複数の節電対策を図ることで、消費電力は大きく変わってくるでしょう。
最後は、オフィスで実践するべき節電アイデア3つについて、詳しく紹介します。
3-1.使用する照明の数を減らす
オフィスには多くの照明が設置されています。一つひとつの消費電力こそ少ないものの、使用状況を全体的に見直すことで電気代を大幅に抑えることが可能です。
場所によって必要な明るさは異なります。社員が仕事をするフロアは十分な明るさが必要となる一方で、廊下などの共有部分はあまり明るくなくても問題ありません。3列のうち1列を消すなど、場所に応じて照明を間引きしましょう。
照明の見直しを始めると、意外にも多くの場所で電気を使い過ぎていたことに気付くでしょう。日照時間が短い冬場は照明をより長く使用するため、節電効果をより実感できます。
3-2.LED照明に切り替える
電球や蛍光灯をLED照明に切り替えることも、効果的な節電対策の一つです。使用条件や使用環境により異なりますが、LED照明は一般的な照明と比較して消費電力を最大約85%も減らす
ことができます。寿命については約40倍も長持ち
するケースもあり、非常に経済的です。
照明の切り替えにあたっては一定のコストがかかるものの、長期的な視点で捉えればメリットは十分にあります。LED照明を購入する際は、省エネ性の指標である省エネ基準達成率の「☆マーク」が多い製品を選ぶことがポイントです。
3-3.人感センサーを取り付ける
オフィスで使用頻度が少ない場所は、人感センサーを取り付けましょう。人感センサーとは、人の気配を感知して、自動で点灯してくれる便利な機器です。また、人感センサーは自動で消灯してくれるため、照明の消し忘れもなくなります。
人感センサーは、下記の場所に取り付けることがおすすめです。
- 休憩室
- 会議室
- 応接室
- 自動販売機コーナー
- トイレ
- 廊下
- 非常階段
人感センサーとあわせて照明制御システムを導入すれば、消灯時間のスケジュール管理が可能となり、さらに大きな節電効果が見込めます。
まとめ
オフィスの電気代を抑えるためには、エアコンの設定温度を適正化し、扇風機やヒーターなども活用しましょう。エアコンなどの本来の性能を維持するために、フィルターの掃除を定期的に行うことも重要です。OA機器については、パソコンの省電力モードの設定や、プリンターのスリープモードを使い、機器を使わないときはコンセントから抜きましょう。
照明は場所に応じて使用数を調節することが大切です。LED照明への切り替えや人感センサーの取り付けにより、さらに節電効果は高まります。記事内で取り上げた項目を、ぜひ実践してみてください。