仕事中の昼寝は効果抜群! ポイントや注意点も合わせて解説
仕事中の昼寝は、社員の生産性・働きやすさ向上に役立つ施策として、多くの企業で注目されています。しかし、いざ昼寝の制度を導入しようと考えても、様々な課題に直面する企業は少なくありません。
この記事では、仕事中の昼寝に対する様々な考え方や、昼寝のメリット、注意点を詳しく説明します。働きやすい環境を構築することで業務効率化を図り、社員のQOLを高めたいと考えている管理職や人事部の方は必見です。
1.仕事中の昼寝に対する考え方とは?
昼寝は、「シエスタ」「パワーナップ」などとも呼ばれ、仕事の生産性を上げる手段の一つとして日本でも注目されています。しかし、仕事中に昼寝をすることに対しては賛否両論です。
ここからは、仕事中の昼寝がどのように考えられているのかを紹介します。
1-1.仕事中の昼寝をサボりと捉える人がいる
仕事中の昼寝は、生産性向上の観点から肯定的な意見が増えていますが、「仕事中の昼寝はサボりである」などの否定的な声があることも事実です。
2019年5月には福岡市が「#PowerNap(パワーナップ)」プロジェクトと題して、仕事中の昼寝を推奨する取り組みを始めました。プロジェクトを知った人の中には賛成の人もいましたが、反対の人もいたようです。
仕事中の昼寝に反対する理由には、以下が挙げられます。
- ・仕事中に寝ることは不誠実である
- ・休憩時間も勤務時間の一部である
- ・仕事中の昼寝はだらしない
会社で仕事中に昼寝ができる仕組みを導入する際は、反対意見が出ることを考慮することが大切です。まずは、自分の机の上で堂々と昼寝するのではなく、目立たない場所でこっそりと昼寝するように促すなど、反対派にも配慮しましょう。
昼寝を導入することが仕事の効率アップに繋がることがわかれば、社内の理解を得られるようになるはずです。
1-2.昼寝を推奨する企業は増えている
仕事中の昼寝には反対意見がある一方、近年昼寝を推奨する企業は増えています。
例えば、昼寝や瞑想ができる仮眠スペースを社内に設けている企業もあります。また、昼寝だけでなく、コーヒーや軽食も提供するなど、社員の労働環境の改善に多角的に取り組む企業も少なくありません。
昼寝をはじめとする労働環境の改善は、社員の睡眠不足を解消するだけでなく、作業の効率化にも非常に有効です。
2.仕事中の昼寝で得られる効果は?
昼寝制度を会社で導入する際は、反対意見も踏まえた仕組みづくりが必要です。そのため、昼寝制度の導入をハードルが高いと感じる企業は少なくありません。しかし、仕事中に昼寝を取り入れることは、導入の苦労に見合うだけのメリットが多くあります。
ここからは、仕事中の昼寝で得られる効果を4つに分けて紹介します。
2-1.集中力が上がる
仕事中に昼寝することで、昼寝後の仕事への集中力をアップさせることができます。
そもそも昼食後は、外気温の上昇や食事による体温上昇のために、どうしても眠気を感じてしまいやすい時間帯です。午後の仕事に本格的に取り掛かる前に昼寝を挟むことで、脳をリフレッシュさせることができます。
昼寝でリフレッシュすることで集中力が上がれば、仕事の効率を高められるでしょう。
2-2.ストレスが解消される
午前中に溜まった仕事のストレスの解消が期待できることも、昼寝の効果の一つです。
仕事が忙しいと次第に脳がキャパオーバー状態となり、健康を害するストレスホルモンが分泌されます。ストレスを抱えたまま働くことは、仕事の生産性が落ちるだけなく、社員の健康を損ねる恐れがあります。
忙しく働いているときは昼寝することで脳がクールダウンし、ストレスの蓄積を防ぎやすくなります。その結果、社員のパフォーマンスが向上するでしょう。
2-3.体力が回復する
昼寝は、脳だけでなく、体力も回復させる効果があると考えられています。
2010年に発表されたカリフォルニア大学の研究によると「一時間半の昼寝は一晩の睡眠にも匹敵する」という研究結果もあり、昼寝による効果は大きいと言えます。
社員が昼寝で体力を回復することで、午後からもパワフルに活動できれば、業務効率化を図れるでしょう。
2-4.睡眠負債の解消に繋がる
仕事中の昼寝は、現代人が抱える問題の一つである睡眠負債を解消する手段としても注目されています。
睡眠負債とは、日頃の睡眠不足による慢性的な寝不足と、それに伴う健康問題のことです。
睡眠負債が大きくなると、以下のように様々な健康上の問題が生じます。
- ・免疫機能の低下
- ・うつ病の発症リスクの上昇
- ・がんなどの重大な疾病の発症リスクの上昇
- ・集中力・注意力・モチベーションの低下
睡眠負債は、いわゆる休日の「寝だめ」では解決できません。寝だめをすると、逆に睡眠のリズムが崩れてしまう恐れがあります。休日にいつもよりも長く寝る程度では、睡眠負債を解消することはできません。
足りない睡眠時間を補える仕事中の昼寝は、睡眠負債の解消が期待できる方法です。日々の業務が忙しく残業の多い職場であればあるほど、昼寝を導入するメリットは大きいと言えるでしょう。
3.仕事中に昼寝をするときのポイントと注意点
仕事中の昼寝には確かな効果があります。しかし、ただ漫然と睡眠を取るだけでは、昼寝による十分な効果を得られることはできません。
ここからは、仕事中に昼寝をするときのポイントや注意点を4つに分けて紹介します。
仕事中の昼寝制度の導入を検討している管理職・人事部の方は、実行に移す前にポイントと注意点を理解しておきましょう。
3-1.寝すぎると逆効果になる
仕事中の昼寝で寝すぎると、昼寝後にだるさを感じる原因となるため、注意が必要です。
睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠があり、寝てから30分以上が経つとノンレム睡眠という眠りの深い状態となります。ノンレム睡眠の最中に無理やり起きると、人によっては頭痛や倦怠感などの症状が出る可能性があります。
そのため、仕事中の昼寝の時間は20分程度に設定しましょう。
3-2.寝る際は体を横にして寝る
昼寝の効果を最大限引き出すためには、横になった体勢で眠ることが大切です。
とはいえ、「仮眠を取るために横になるのは気が引ける」という人は少なくありません。
昼寝制度を導入する際は仮眠室を設けるなど、社員がぐっすりと眠ることのできる環境を用意するとよいでしょう。
しかし、オフィスで横になれるスペースを確保できない場合もあります。
デスクに顔を伏せる体勢で眠ると、横になった体勢と同等の効果が期待できるため、仮眠用のデスクを用意することも一案です。
3-3.昼寝は15時までにする
仕事中の昼寝を推奨する際は、昼寝は遅くとも15時までに済ませるように通達しましょう。
16時や17時の夕方に昼寝をすると、夜に寝付きづらくなるなど、日々の睡眠習慣に悪影響を与える恐れがあります。社員の睡眠環境が乱れると、睡眠不足による仕事上のミス・健康被害が誘発されるかもしれません。
基本的に仕事中の昼寝は20分程度で十分のため、昼休憩に昼寝の時間を組み込むとよいでしょう。
3-4.昼寝をする前にカフェインを摂取する
昼寝前にカフェインを摂取すると、すっきりと目覚めることが可能です。
カフェインによる覚醒効果は、カフェインの摂取から20分後に表れると言われています。そのため、起きる時間を逆算してカフェインを取ると、昼寝から目覚めるタイミングでカフェインの効果が得られるようになります。
昼寝の直前にコーヒー・紅茶・緑茶などを飲むよう社員に推奨しましょう。
ただ単純に昼寝制度を取り入れるだけでは、昼寝の効果が発揮されません。仕事中の昼寝制度を導入するときは注意点を踏まえ、社員に喜んでもらえる仕組みをつくりましょう。
4.仮眠をとるために役立つオフィス家具
仮眠が大事、とは言っても環境を用意するのは大変です。
そんなときに役立つオフィス家具を紹介します。
まとめ
午後にどうしても眠くなってしまったり、終業前に集中力が落ちたりすることは、誰にでもあることです。また、体調を崩す・仕事上のミスが増えるなど、睡眠不足は社員にとっても会社にとっても大きなデメリットと言えます。
睡眠不足の解消にも繋がる昼寝は、社員の集中力アップ・ストレス解消・体力回復など、さまざまな効果が期待できます。
仕事中に昼寝をすることは、生産性の向上・福利厚生の面で非常に効果的な施策です。ぜひ社内で昼寝制度の導入を検討してはいかがでしょうか。