仕事における休息の重要性とは?時間がない場合の対処法とテクニック
人の脳が1日中、集中して仕事をすることは不可能であることが、世界中の研究者によって明らかにされています。そうした脳の仕組みを踏まえると、仕事を効率的にこなすためには、休息を上手く取り入れることが非常に重要です。
今回の記事では、仕事で休息を取るメリットや重要性、休息のテクニックについて紹介します。仕事に集中できないと感じる方や、従業員の生産性を高めたい経営者の方は記事を参考に、休息を取り入れてみましょう。
1.仕事を効率的に行うには適度な休息が必要
仕事の生産性を上げるためには、適切なタイミングで休息を取ることが重要です。
大人の集中力が持続する時間は平均45分、最長でも90分程度と言われています。実際に教育現場では45~50分ごとに休み時間が設定されていることが多く、集中力を継続させるために最適な間隔となっています。
適度な休息は必要であるものの、休まずに仕事を続ける社会人は少なくありません。
まずは、休息を取るメリット・休息を取らないデメリットを解説します。
休息を取るメリット | 休息を取らないデメリット |
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「仕事中に休息を取ると、その分仕事が進まない」と感じるかもしれませんが、適度に休息を取らないと、効率的に仕事を進めることができません。集中力が途切れた状態でだらだらと仕事を進めてしまえばミスが発生し、余計に時間がかかる場合もあります。
健康を損ねない範囲で効率的に仕事を進めるためにも、適度な休息を取りながら業務を進めましょう。
2.休息が取れない状況の場合は現在の仕事量を見直そう
前述したように、休息は効率的に仕事を進める上で重要です。しかし、仕事量が多すぎると休息を取る暇もありません。忙しい中で休息を取るためには、仕事量を見直す必要があります。
仕事量が多いと感じている方は、下記の方法を参考にしてください。
◯仕事量を見直す
どれほど作業を効率化したとしても、仕事量そのものが多すぎると、休息を取ることが非常に難しくなります。自分の勤務時間内にこなすことができる仕事量なのか、いま一度見直してみましょう。
◯タスク管理ツールを導入する
マルチタスクをこなすことができれば、同じ仕事量をより短時間でこなすことができます。タスク管理ツールを使用することで、何をやらなければならないか、いつまでに仕事が終わればよいのかを、ひと目で確認できます。
また、社内で共有できるタスク管理ツールを導入すれば、管理職の方が部下の進捗状況を確認することも可能です。マルチタスクが苦手な方や社内の業務効率化を考えている方は、ぜひタスク管理ツール導入しましょう。
3.仕事の合間に休息を取る際のテクニック
「トイレに行ったときに軽く体を動かす」「喫煙で気分をリフレッシュする」など、人によって休息の取り方はさまざまです。どのような方法で休息を取るかによって、休息で得られる効果は大きく異なります。
ここからは、仕事の合間に休息を取る際のテクニックを紹介します。
下記に紹介するテクニックを参考に効果的な休息を取り、より仕事に集中できる状況を作りましょう。
3-1.14時頃に短時間の「昼寝」をする
14時は1日の中で最も集中力が低下する時間帯です。朝から仕事を続けていると、人間の体は14時ごろに眠気のピークが来ると言われています。
そのため、14時ごろに10~15分ほど昼寝をすると、集中力を高めることが可能です。
10~15分の昼寝は長すぎると感じる方もいますが、昼寝をした後に効率的に仕事を進めることができれば、昼寝によるタイムロスは生じません。実際に、15分以内の昼寝を取った方と、昼寝を全くしていない方では、仕事の生産性はほとんど変わらないと考えられています。
反対に「10~15分の昼寝は短い」という方もいますが、20分以上寝てしまうと、かえって仕事に集中できなくなる恐れがあります。昼寝の時間は10~15分に抑えましょう。
また、昼寝の直前にコーヒーを飲むことも有効です。コーヒーに含まれるカフェインは15分ほどで効果が出はじめると言われているため、カフェインの力を利用によって昼寝から目覚めやすくなる効果が期待できます。
3-2.定期的な休息を仕事のルーチンに加える
定期的に休息を取るためには、休息の時間をルーチン化することが必要です。
しかし、仕事は毎日異なるスケジュールで動くことが多く、休息を完全にルーチン化することは簡単ではありません。
なかなか休息を習慣にできないときは「ポモドーロ・テクニック」という休息の仕方がおすすめです。
ポモドーロ・テクニックとは? |
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25分の仕事と5分の休息を繰り返す休息の方法。 起業家のフランチェスコ・シリロによって発案された。 |
ポモドーロ・テクニックを取り入れる場合、25分間にどのような仕事をするのか、あらかじめ決めておきましょう。1つのサイクルで行うタスクを決めることで、ゴールが明確になり、仕事にメリハリをつけることができます。
また、仕事を細分化することで、やらなければならないタスクを明確にすることが可能です。仕事の優先順位を把握できれば「何から手を付けてよいかわからない」という事態を避けることができ、業務効率化を図れるでしょう。
3-3.糖質を摂取する
脳にエネルギーを送らなければ、効率的に仕事を進めることができません。
仕事に集中できないときは、脳のエネルギー源である糖質をしっかりと摂取しましょう。
糖質を多く含む食品 | 米、小麦、うどん、そば、じゃがいも、さつまいも、さといも、砂糖、蜂蜜、メープルシロップなど |
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糖質は、穀類やいも類、甘味料などに多く含まれています。しかし、白米のように血糖値の上がりやすいものを食べてしまうと、食後に眠くなることがあります。食後の眠気を防ぎたい方は、血糖値が上がりにくい玄米を白米の代わりに食べましょう。
また、砂糖の入っているお菓子にも糖質が豊富に含まれています。集中力が切れそうなときは、周囲に配慮しながらお菓子を食べると効果的です。
糖質制限ダイエットのように糖質を食べない生活を送ると、頭が働きにくくなり、仕事に支障をきたす恐れがあります。過度に糖質を制限することは避けましょう。
3-4.散歩などで体を動かす
休憩の際は、心身ともにリフレッシュするようにしましょう。
デスクワークのように長時間座ったまま仕事を続けると、血液の流れが悪くなり、脳に酸素が行きわたらないことで、集中力が途切れやすくなります。
「ちょっと散歩をする」「ストレッチをする」など、仕事の合間に体を動かせば、気分転換を図ることができるため、仕事に集中することが可能です。
また、オフィス内は十分に換気されていないことが多く、酸素が薄くなっています。オフィスから外に出て、新鮮な空気を取り入れることでも、リフレッシュすることが可能です。少し疲れたと感じたら、積極的に外に出ましょう。
仕事での休息の取り方には、さまざまな方法があります。自分の仕事の状況に合わせて、実践しやすい休息の方法を取り入れましょう。
まとめ
人間は90分以上集中することが困難なため、仕事の合間にこまめに休息を取る必要があります。仕事を効率的にこなすことができれば、生産性が向上するため、積極的に休息を取るようにしましょう。現在の仕事が忙しく、なかなか休息が取れない場合は、仕事量やタスクの管理方法を見直してみることも大切です。
とはいえ、休息の時間は長すぎるとよいわけではありません。周囲の迷惑とならないよう、適度なタイミングで休息を取り、集中して仕事に取り組みましょう。