フリーアドレスオフィスとは? 決まった座席を作らないメリット・デメリット
政府が推進する「働き方改革」により、今注目されているのがフリーアドレスデスクを導入したオフィスです。
なんとなく「決まった座席を作らない」と知っていても、導入にメリットがあるのかわからないと頭を悩ませる事業主の方も多いのではないでしょうか。
この記事では、フリーアドレスのメリット・デメリット、正しい導入方法などをご紹介します。
▼このコラムを読んでもらいたい方
- ・フリーアドレスの導入を考えている方
- ・フリーアドレスのメリット・デメリットを知りたい方
▼このコラムを読んで得られる情報
- フリーアドレスとはなにか
- ・フリーアドレスのメリット・デメリット
- ・フリーアドレスのデメリットを解消する方法
- 目次
- 1.フリーアドレスオフィスとは?
- 2.フリーアドレスを導入するメリット
- 3.フリーアドレスを導入するデメリット
- 4.フリーアドレスを導入するデメリットの解決策
- 5.導入には向いている業種と向いていない業種がある
1.フリーアドレスオフィスとは?
フリーアドレスオフィスとは、社員が個々の席を持たず、空いている席を自由に使用して仕事をするワークスタイルを指します。作業環境や各設備との距離など、自分好みのオフィスデスクを選んで仕事ができるため、仕事の効率化・生産性向上につながると期待されています。
そもそもフリーアドレスとは、1980年代から日本で研究と取組みが行われたワークスタイルです。1990年代にフリーアドレスを導入しているオフィスが「第8回日経ニューオフィスマーク認定オフィス」(現在は日経ニューオフィス賞・推進賞)として認定されてから徐々に社会へ浸透してきました。
フリーアドレス導入当初は日中不在にしている社員の座席分を在席者が使用し、オフィスデスクの面積を欧米並みに広げる効果が目的でした。しかし、次第に社員分のオフィスデスクを用意する必要がなくなり、結果としてコストの削減効果を期待して導入する企業が増加傾向にあります。
加えて、社員同士のコミュニケーションの活性化や仕事の効率化・生産性向上の効果が注目されているのも事実です。
政府が推奨している「働き方改革」によりフリーアドレスデスクを導入する企業も増えつつあり、現在注目を浴びているフリーアドレスですが、すべての企業に適しているとは限りません。場合によっては、フリーアドレスのデメリットが足かせになってしまう可能性も。
この記事では、フリーアドレスのメリットとデメリットをご紹介します。
2.フリーアドレスを導入するメリット
これからのオフィス改革にフリーアドレスを導入したいと検討される企業も少なくありません。とはいえ、フリーアドレスにはいくつかのメリット・デメリットがあるのも事実です。ここではフリーアドレスを導入するメリットをご紹介します。
フリーアドレスのメリットは大きく分けて下記の4つがあげられます。
- 社員同士のコミュニケーションの活性化
- オフィスのコスト削減
- レイアウトの変更が容易
- オフィス環境の美化
それでは、フリーアドレスを導入するメリットを1つ1つ詳しくご説明します。
2-1.社員同士のコミュニケーションの活性化
フリーアドレスのメリットとしてもっとも着目されているのが社員同士のコミュニケーションの活性化です。
フリーアドレスデスクを導入すると、他部署の社員が隣になるケースもあります。
席が隣同士になれば自然とコミュニケーションが取りやすい環境となり、今まで想定もしていなかったアイディアやコラボレーション企画の発展へと繋がる可能性も。その結果、生産性の向上も期待できます。
また、他部署の社員とコミュニケーションを図りやすくなる結果、会社全体に一体感が生じて社員のモチベーションが向上したり、仕事の効率がアップしたりする効果にもつながります。
2-2.オフィスのコスト削減
オフィス運用において、フリーアドレス導入によるコスト削減効果は非常に重要です。フリーアドレス導入の当初の目的はコスト削減のためともいわれていました。
オフィスにフリーアドレスデスクを導入すると、「オフィススペースのコストダウン」や「オフィス家具類の管理費縮小」などの経費削減効果を期待できます。
たとえば、「日中外の勤務が多くオフィス内に人が少ない企業」なら、オフィスをフリーアドレス化すると社員全員分のオフィスデスクを用意する必要がなくなるため、不要なオフィススペースの削減が可能です。
また、オフィスにフリーアドレスデスクを採用した場合、社員はそれぞれの個人ロッカーに自分の関係資料を保管するスタイルが一般的です。
また、フリーアドレスデスクではやりとりや資料のデジタル化が主流になるため、結果としてペーパーレス化に成功。紙代の削減やコピー機などのオフィス家具を購入・管理するコストの削減にもつながります。
2-3.レイアウトの変更が容易
オフィスにフリーアドレスを導入すると、オフィス内のレイアウト変更をスムーズに行えるメリットがあります。
オフィスに固定席を設けていると、レイアウト変更に伴って「自分の荷物を整理」「オフィスデスクと一緒に移動」と大仕事になってしまい、なかなか気楽にレイアウトを変更できません。
一方で、オフィスにフリーアドレスを導入すれば、私物などはすべてロッカーにしまうスタイルのため、オフィスデスク上を片付ける必要がなくなります。
また、社員の増減や異動があってもオフィスデスクを自由に選択できるため、レイアウトを大きく変更する必要もない点がフリーアドレスデスクを導入するメリットです。
2-4.オフィス環境の美化
フリーアドレスを導入するメリットのひとつに、社員が自然とモノを収納する効果があげられます。フリーアドレスを導入シた場合、社員は仕事が終わると自分の資料をその都度個人ロッカーに収納するスタイルが一般的です。
そのため、オフィスデスク周辺に仕事の資料が山積みになる心配がなくなります。その結果、オフィス内はいつもきちんと整理整頓されている状態となります。
3.フリーアドレスを導入するデメリット
フリーアドレスには生産性向上やコストの削減などさまざまなメリットがある一方で、デメリットがあるのも事実です。
フリーアドレスを導入する代表的なデメリットは以下の4つがあげられます。
- 社員が孤独感を覚える
- 社員の居場所がわからない
- 仕事に集中できずに落ち着かない
- 制度が活用できない
それでは、フリーアドレスを導入するデメリットをそれぞれ説明します。
3-1.社員が孤独感を覚える
フリーアドレスをオフィスに導入するデメリットのひとつに、オフィスに自分の居場所がないと感じてしまう社員が生まれる可能性があげられます。
すべての社員が社交的とは限りません。自分の席(居場所)があってはじめて安心して仕事ができるタイプの人もいます。
フリーアドレスを導入すると、そのような社員が孤独感を覚えてしまい、「自分一人が取り残されている」と感じてしまう可能性が残ります。
3-2.社員の居場所がわからない
フリーアドレスをオフィスに導入したとき、固定のオフィスデスクがなくなると、社員がどこにいるのかわからなくなってしまうデメリットがあります。固定席があれば連絡事項や資料を置けますが、フリーアドレスではそれができません。
そのため、フリーアドレスでは連絡事項を簡単に共有できる仕組みを別途導入しておく必要があります。
3-3.仕事に集中できずに落ち着かない
フリーアドレスデスクのメリットは、自分が望んだ席で仕事をできる点です。言い換えると、周囲とのコミュニケーションが活発化する反面、仕事への集中力が低下してしまうおそれがあります。なかには、フリーアドレスデスクの影響で周りが気になり、仕事に集中できないと頭を悩ませる社員も。
すべてのオフィスでで同様のデメリットが発生するとは限りませんが、フリーアドレスデスクを導入する際はある種の対策が必要になります。
3-4.制度が活用できない
フリーアドレスのデメリットは、「 フリーアドレスが持つメリット」を有効活用できない可能性があげられます。せっかくフリーアドレスを導入しても、結局落ち着く場所が決まって定位置が生まれてしまったり、同じ部署同士で固まってしまったりするシーンも少なくありません。
その結果、フリーアドレスのメリットであるコミュニケーションの活発化があまり効果を発揮できない可能性があります。
このように、フリーアドレスのメリットが逆にデメリットとなってしまう場合があります。
次の章では、フリーアドレスの導入に関するデメリットについて、その解決策をご紹介します。
4.フリーアドレスを導入するデメリットの解決策
フリーアドレスにはさまざまなメリット・デメリットがありますが、デメリットが気になって導入に踏み切れない方もいるかもしれません。しかし、フリーアドレスのデメリットはある程度の技術やオフィス家具によって解決できる場合があります。
ここでは、フリーアドレスを導入する際のデメリットについて、解決策をご紹介します。
4-1.社員の一員であると言う自分の居場所を作るためにパーソナルロッカーを用意
メールボックス パーソナルロッカー
サイズ | 外寸 / 幅880×奥行380×高さ1860mm 有効内寸(投函部) / 幅382.5×奥行340×高さ74.4mm 有効内寸(ロッカー部) / 幅382.5×奥行340×高さ324mm |
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材質 | 本体・扉 / スチール、ホワイト色(粉体塗装) |
私物も施錠管理できる!扉に投函口が付いたメールボックス収納庫
上部に書類投函口が付いており、2段になっている庫内の下スペースには私物を収納可能。施錠管理できるのでプライバシーを守ります。鍵紛失の心配がないダイヤル錠です。
フリーアドレスを導入したときは「パーソナルロッカー(モバイルロッカー)」使用のスタイルを主流としている企業が多く見られます。
パーソナルロッカーに自身の名前と写真があると、「自分はこの企業に属している」と意識を持てるからです。
また、最近ではフリーアドレスに伴いパーソナルロッカーも進化しており、郵便物を配布できるようにメール投入口が設置してあったり、ノートPCや書類の入る大きさモデルも出てきたりと選択肢の幅が広くなっています。
4-2.社員の居場所がわからない場合は在席管理システムを採用
社員がどこにいるのかわからない場合は、在席管理システムを採用するのもひとつの方法です。
在席管理システムとは、その名の通り社員の在席状況をWEB上などで確認できるシステムです。今は優秀なアプリやIT製品が出ているため、フリーアドレスの導入にあわせてチェックしてみるのをおすすめします。
4-3.仕事に集中できない場合は集中ブースを設置
ローパーテーション
サイズ | 幅900×奥行32×高さ1600mm |
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材質 | パネル:ポリカーボネート、パネル下部(ホワイト・ブラック):メラミン化粧板、パネル下部(シルバー):アルミニウム、フレーム:アルミニウム、アジャスター:ABS |
垂直にもL字型にも、用途やシーンに合わせた組み合わせが可能
光を通しオフィスを明るく仕切れる半透明パーテーション。軽いので設置も簡単、開放感のある空間を作れます。
パネルデスク 個別ブース
サイズ | 幅800×奥行600×天板高さ720mm |
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材質 | 天板:メラミン樹脂化粧板、その他:強化紙化粧板・パーティクルボード、アジャスター:ABS樹脂 |
自立してレイアウトが広がるパネル付きデスク
塾やコールセンター、ネットカフェや図書館などに適した個別ブースデスクです。連結して使用するパネル付きデスクには珍しい自立型。繋げて使用するだけでなく、単体でも使用可能です。
フリーアドレスはオフィス全体をオープンにできる魅力を持ちますが、そのせいで仕事に集中できないと嘆く社員もいます。
その場合は低めのパーテーションを活用したり、パネル一体型デスクなどで集中ブースを設置したりするのをおすすめします。
オフィスにフリーアドレスを導入するとき、必ずしも開放的な空間を作らなければならないといった定義はありません。
アイディアを生み出すためにも、社員一人ひとりを大切にするためにも、一人で集中できるブースも必要といえます。
4-4.簡単にレイアウトできるフリーレイアウトワークテーブル
メティオ フリーアドレスデスク
サイズ | 幅1200×奥行1200×高さ720mm |
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材質 | 天板:メラミン樹脂化粧板、その他:強化紙化粧板・パーティクルボード、アジャスター:ABS樹脂 |
多様なレイアウトが可能なオフィスデスク。
ミーティングテーブルとしてもオフィスデスクとしても使えるデザイン。配線ボックス付きモデルで、オフィスをスッキリと整えられます。
多様なレイアウトを実現するフリーアドレス向けのオフィスデスクです。
一人はもちろん、人数にあわせていろいろなレイアウトを実現できます。
集中ブース・ミーティングルーム・作業台・コーナー作りなど、テーブルを組み合わせるだけで簡単にレイアウトできるオフィス家具です。
4-5.制度が活用できない場合は座席選びのシステムを考える
フリーアドレスデスクのメリットはさまざまな部署で交流できる点ですが、気づくといつも同じ席や気の合う仲間同士で固まってしまうパターンも少なくありません。
その解決策として、フリーアドレスで座る座席を自動で決めるシステムを導入している企業や、くじ引きなどで対応している企業もあります。
フリーアドレスのデメリットには解決策があるため、それらに取り組めば多くのメリットを得られます。しかし、そのすべてが技術や家具で解決できるとは限りません。
フリーアドレスのデメリットを打ち消す対策としてもっとも大切なポイントは、社員との話し合いをよく行い、フリーアドレスの目的をしっかりと伝えて社員に納得してもらうことが大切です。
5.導入には向いている業種と向いていない業種がある
近年採用する企業が増えている「フリーアドレスオフィス」ですが、メリット・デメリットを見ると向いている業種と向いていな業種があるのも事実です。
一般的に、フリーアドレスのオフィスが向いている企業は営業職や派遣が多く在席率が少ない業種です。逆に、総務職や事務職または、営業職でも夕方にはほとんどの社員が帰社し在席する業種はあまり向いていません。そのような環境のオフィスでフリーアドレスの導入は難しいでしょう。
ただし、部署によってフリーアドレスとそうでない場所をオフィス内に作る方法もあります。フリーアドレスをオフィスに導入するメリット・デメリットを考慮しながら、しっかりと目的を持って導入の検討・社員との目的共有が大切です。