気づかないうちに効率が上がる―そんな“魔法”をオフィス改善で叶えよう
会社は年月を重ねて、その姿をどんどん変えていきます。それが今の社会に対応することであり、成長のための歩みといえるでしょう。あわせて、時代の変化に応じて快適なオフィス環境の重要性も話題になっています。
日々の作業が優先されて、環境改善が後回しになっていませんか?会社の成長は、働きやすい状況の中で、いかに社員が能力を発揮できるかにかかっているといえます。
先手のオフィス環境向上で、会社にも社員にも恩恵のあるワーキングスペースを叶えましょう。きっと心理的要素だけではない、大きなメリットが生まれるはずです。
- 目次
- 1.働きやすい環境作りは優先させるべき?
- 2.「働きやすいオフィス環境」とは?
- 3.働きやすさへのワンステップ。オフィス改善のポイントは
- 4.仕事の「質」、社員の「交流」を深める
- 5.改善は“できるところから、できる形で” (まとめ)
1.働きやすい環境作りは優先させるべき?
会社は、ただ仕事をこなすだけの場所ではなくなってきています。
不便な状態や劣悪な空間は、社員にとって効率性の妨げになります。
そのため「いかに快適に働ける環境か」を考え、実践することは、これからの会社にとってとても大切といえます。
働きやすいスペースだと能力も発揮しやすいですね。
そして集中できることで仕事の区切りごとにリラックスがしやすく、よってオンオフの切り替えがきちんとできて作業効率も上がる…と、プラスの循環を形成することができるのです。
社員の質の高い作業を積み上げることで、会社は発展していけるといえます。
そこからそれぞれのやりがいが上がって活躍の場を増やすチャンスも広がり、社員の成長を引き出すこともできるでしょう。
このように、会社は様々な要素がしっかり結びついて大きくなっていくことから、「社員のため」が「会社のため」と同義になるのです。
働きやすい環境作りとは、「優先させるべき」事項というより、それ自体が会社のさらなる発展のスタートとさえいえるでしょう。
2.「働きやすいオフィス環境」とは?
例えば、集中できるように机の配置を変えることは、それだけで効率アップに直結するわけではないでしょう。
ただしそうした改善の一つひとつが、プラスの循環を下支えしてくれます。
働きやすい環境とは何かいう点でみれば、ポイントは二つあるといえます。
一つは毎日の仕事の舞台となるオフィス空間が快適かどうかです(もう一つは福利厚生や制度など、会社そのものの待遇が充実しているか)。
そして環境が快適かを考える時、大切にしたいのが、女性が働きやすいかということ。
例えばきちんとしたセキュリティの整備です。
さらに空調が適切か(暑すぎない・寒すぎない)、トイレがキレイか、ニオイ対策ができているかなど、設備面だけではない、使う立場に立った気配りを大事にしたいですね。
働きやすさから生まれるメリットは次のような内容です。
2-1.作業の効率がアップ
作業しやすいスペースにすることで、効率は当然上げられます。
よい効率性とは仕事がしやすいだけでなく、会議がしやすい、集中して取りかかれる、他の社員と話や相談が気軽にできる…といった状況を可能にすることでもあります。
2-2.生産性を上げられる
作業の効率が上がると、時間を有効に活用でき、ムダな残業を減らすことができます。
また最近はIT機器を導入し、リモートによる会議や仕事を行うことで、時間の効率をはかる仕組みも実践されてきています。
2-3.社員のやりがいを広げられる
効率的な仕事ができるとは、社員が集中して作業に取りかかれるということ。
生産的な成果が得られれば、達成感も上がり、働くことへのモチベーションが維持できます。やりがいを持って仕事ができれば長く働いてもらえ、離職者の減少にもつながるでしょう。
3.働きやすさへのワンステップ。オフィス改善のポイントは
いろいろなテイストのオフィスを見ていると、仕事の意欲と環境は結びついているなあと、感じる人は多いはずです。
より心地よい空間なら仕事がしやすいのは、容易にイメージできるでしょうし、「こんなオフィスで働きたい」という発想が浮かぶこと自体、快適に働きたい気持ちの表れなのです。
働きやすさについて、オフィスレイアウトの変更や環境提案の面から注意すべき点を見ていきます。
3-1.机は狭すぎず、広すぎず
社員が増えるだけでも机の配置や数、場所を変える必要に迫られます。
そんな中でレイアウトでは、集中や連携のために、座席の左右に何があるか、座って顔を上げると何が見えるかなどを考慮しましょう。
また、一人用のスタンダードサイズは幅1200mmと言われています。個々の机が狭すぎず、広すぎずの大きさであることも能率を良くする秘訣です。
もちろん整理整頓が大前提になります。
3-2.暑すぎず、寒すぎず
適切な温度管理は、女性に限らず大事な要素。
季節に応じて、そして風邪の流行期などに対応できる温度管理、湿度管理に留意しましょう。
3-3.働く社員の声を反映する
全体の中での効果的な備品配置が大切ですが、快適性とのバランスを十分に加味します。
社員の声を聞きながら、能率をよくできる、無駄のないレイアウトに気を配りましょう。
3-4.集まりやすさと動線の兼ね合いも
ランチタイムにくつろげるスペースや休憩室があると、メリハリのある仕事のために活用できます。
ただ、回り道をしないとたどりつけないなど、使いにくい配置にならないよう注意を。
3-5.何より「清潔に」
どんなに素敵なスペースを演出しても、汚かったらすべてが台無しです。
トイレを清潔に保つ、掃除を行き届かせる、空気清浄器をつけるなど、空間も快適にしましょう。
4.仕事の「質」、社員の「交流」を深める
会社は何人のもメンバーが一緒に働く場所です。
そのため一人ひとりが仕事をする際に「集中できること」「息抜きできること」は、いわば必須の環境条件といえます。
また社員同士が「自然と集まれる」「話がしやすい」なども軽視できないポイントで、そうした雰囲気は、情報の共有やプロジェクトの活性化などに効力を発揮するはずです。
具体的なオフィス改善の方策を探ってみましょう。
4-1.整頓する
ちらかさないこと以外に、日常使わないものを置かないことで、より業務ははかどります。
4-2.照明にも気を使う
パソコンのモニターに照明が写り込む「グレア」の対策をしたり、LEDライトは光の射し方を調整して目に優しい配慮をします。
眼精疲労など社員のストレスに関わりますので、しっかりチェックしましょう。
4-3.グリーンを取り入れる
観葉植物など緑や花を設置するのは手軽な対処法の一つ。
種類が豊富なので、場所や金額と相談しながら決めましょう。
4-4.フリーアドレス制を採用
「フリーアドレス制」という言葉をご存じですか?これは個々の机を個人に割り当てるのではなく、空いている席を、使いたい社員が仕事のタイミングで活用するシステム。
オフィスの省スペース化に有効な方法です。
4-5.共有スペースを設置
休憩や談笑ができる共有のフリースペースがあれば、コミュニケーションを深める格好のスポットになります。
気軽に一息つけて、柔軟に活用すれば簡単な打ち合わせにも使えます。
社員のすべての席から行きやすいレイアウトになれば、さらにベターですね。
4-6.リモート活用で密度を分散
自宅や別の場所で仕事をすることが可能なら、オフィスの人口密度を下げられて、余裕のあるスペースで仕事ができます。
最低限の通信環境等を整える必要はありますが、オフィス以外で働ける仕組みや制度は、一定の社員満足度を上げることにも貢献するでしょう。
5.改善は“できるところから、できる形で” (まとめ)
オフィスの環境向上といっても、大かがりな改善をイメージすることはありません。
改修まで想定すると、小さな一つひとつが実践しにくいでしょう。
トイレが狭いからといって、簡単に大きくできませんよね。
まずは「こんな環境にしてみたい」を思い描き、“できるところから、できる形で”始めてみましょう。
会社は「仕事を黙々とこなす場所」から「得意や専門を発揮して、社員のやりがいを広げていく場所」に変わってきたといえます。
それぞれのメンバーが異なる強みや長所を持っており、その能力をチームとして結集させることが、会社の発展につながっていくのは確かなのですから。
つまりオフィス改善のポイントは、社員が「動きやすい」「ひらめきやすい」「話しやすい」「休みやすい」こと。
「~しやすい」環境を演出することで、個々のパフォーマンスもチームとしての生産性も、思っている以上の成果をもたらす可能性を備えることができるといえるでしょう。