【プロ監修】オフィスチェアのお悩み解決! 購入前に知りたいポイントとは?

1. オフィスチェアってなんだか難しい…まずはここから!

Q. ズバリ、オフィスチェアの重要性って何ですか?

那波　デスクワークが中心のお仕事になりますと、長時間オフィスチェアに座っている方がほとんどだと思います。長い時間椅子に座り続けると、どうしても身体に負担がかかってしまい疲れてくるので、それをなるべく軽減できる椅子であることが大切です。

Q. 身体の負担を軽減できる椅子とは具体的にどのようなことでしょうか?

那波　オフィスチェアは長時間座ってお仕事をされる方を対象とした商品ですので、ほかの種類の椅子に比べて身体への負担がかかりにくいよう設計されています。具体的にはクッション部分の耐久性にこだわっているオフィスチェアが多く、長時間座っていてもお尻や背中が痛くなりにくい利点があります。

Q. 1万以下から20万円以上までとかなり幅広い印象ですが、価格帯で何が違うんですか?

那波　価格帯で大きく変わってくる点はまず機能面です。オフィスチェアには座面の高さを調整できる昇降機能や、体勢に合わせて背もたれが可動する機能など、身体に負担がかからないよう趣向を凝らした細かい機能がいくつも搭載されています。これらの機能がどれだけ搭載されているか、またその品質の高さなどが価格帯によってオフィスチェアが大きく変わってくる部分です。

Q. なるほど、大きく違うのは価格によって機能面の充実度が変わるということですね。ほかにも違いはあるのでしょうか?

那波　ほかには、デザイン性や素材にこだわって開発されたオフィスチェアは価格が高くなる傾向があります。有名なデザイナーさんが設計した椅子は価値が高くなる、などがわかりやすい例です。

2. オフィスチェア初心者でもわかる選び方のポイントとケア方法

Q. 初めてオフィスチェアを選ぶ際、最低限押さえておくべきポイントはありますか?

那波　オフィスチェアを購入するときにこれだけは必ず押さえていただきたいのが、サイズ感です。自分に合ったサイズのものを選ぶようにしていただけると、買い物で大きな失敗をすることは避けられます。

たとえば、体格の大きな人が小さな座面のオフィスチェアに座ると負担がかかりやすくなります。逆も同様で、体格が小さな人が大きな椅子に座ると、身体をうまく支えることができずに身体への負担が大きくなるでしょう。

実はいろいろなサイズのオフィスチェアが展開されていますので、ネットで購入される場合も一度ショールームなどに足を運んで実際に座り心地を試してから購入することをおすすめします。

Q. オフィスチェアとゲーミングチェアの違いと、どんな人に向いているか教えてください

那波　ゲーミングチェアとオフィスチェアは見た目が異なる点がまず大きな違いです。また、ゲーミングチェアはゲームをする方のために作られた「長時間同じ姿勢をストレスなく保つ」ための椅子です。オフィスチェアとの違いとしては、ヘッドレストの有無とリクライニング機能の有無が一般的な違いと言えるでしょう。オフィスチェアはリクライニング機能があるモデルが少なく、ロッキング機能が通常搭載されています。

ゲーミングチェアはオフィスチェアの機能が備わっているモデルも多く発売されているので、どちらを選ぶかは見た目の好みに合わせて問題ないでしょう。ただしあまりにも安価なものだと、見た目だけゲーミングチェアの体裁をしており実際の機能面は普通の椅子ということもありますので、購入前に機能面が問題ないか確認が必要です。

Q. 腰痛持ちなんですが、オフィスチェア選びで気を付けた方がいいポイントを教えてください

那波　一般論としては、「背骨のS字をどれだけ支えられるか」「腰自体を支えることで負担をどれだけ少なくできるか」が重要です。これには、正しい姿勢で座ることが重要な要素となりますので、まずは自分の身体に合ったサイズのオフィスチェアを選ぶことがポイントになるでしょう。

Q. 機能では何かおすすめはありますか?

那波　機能としては、「ランバーサポート」という機能がついているオフィスチェアを選ぶとよいでしょう。ランバーサポートは骨盤や背骨を正しい姿勢に保つよう矯正してくれる機能です。

また、自分の座り方の傾向を把握することも大切です。大きな分類としては、前屈みで作業する前傾タイプと椅子にもたれて作業をする後傾タイプに分けられます。オフィスチェアも前傾タイプと後傾タイプに分けて商品展開されていますので、購入前にあらかじめ自分のタイプを把握し商品選びに活かしましょう。

Q. リモートワークや在宅勤務で人気になったオフィスチェアはありますか?

那波　オフィスチェア全般の販売がおかげさまで好調です。今まで自宅に作業環境のなかった方が、在宅勤務を機にオフィスデスクとオフィスチェアを新しく自宅に取り入れたという傾向が見られます。

そのなかでも2万〜3万円台のオフィスチェアの販売が伸びています。1万円以下のオフィスチェアになりますと、商品によっては1〜2年で座面がへたってくる場合もありますので、ある程度の耐久性を意識されて購入している方が増加傾向にあるといえるでしょう。

Q. 長時間作業に向いていて、リビングに置いても映えるオフィスチェアってありますか?

那波　ハーマンミラーのセイルチェアはいかがでしょうか。オフィスチェアのなかではスタイリッシュかつ特徴的な見た目で背面が網目状です。オフィスチェア独特のメカニックな印象が少ないため、インテリアに馴染みやすいデザインでしょう。

また、ハーマンミラー社は1905年にアメリカで創業されたいわゆるオフィス家具の老舗ですので、機能でも安心して選んでいただけるメーカーのひとつです。モダンなデザインと高い機能性から、おしゃれな企業や設計会社などで昔から人気の高いオフィスチェアです。

Q. 長持ちさせるために日常的にできるケア方法があれば教えてください!

那波　オフィスチェアはさまざまな部分に可動点がありますが、これらの可動点を正常に動かすためにはビスやネジがしっかりしまっていることが重要です。締まるべき部分が締まっていないと、軋みが出てくる原因となりオフィスチェアが壊れやすくなりますので、軋んだ音や椅子の動きを見てこまめにビスを締め直すと長持ちします。

Q. セルフメンテナンスが必要ということですね。締め方にはコツはありますか?

那波　オフィスチェアの購入時に添付されている説明書にビスの締め方が記載されているものがほとんどですので、説明書を見ながら作業してみてください。

3. 購入前に知っておきたい!後悔しないためのポイント

Q. オフィスチェアを買った後にありがちな後悔や失敗談を教えてください

那波　オフィスチェアの購入でよく聞く失敗談としては、「サイズ感が合わない」や「耐久性が弱くすぐ買い替えた」などが挙げられます。繰り返しとはなりますが、サイズ感は機会があれば実際に試していただくのがよいでしょう。

Q. 耐久面に関しては、買う前に見極めるコツなどあるのでしょうか?

那波　耐久性は金額に左右される要素です。安価なオフィスチェアを購入してすぐに買い換えるよりも、少し上の価格帯のモデルを購入する方が結果的に長く使えることがほとんどです。目安として、2万円台からのオフィスチェアであればすぐにへたってしまうという失敗は少なくなるでしょう。5万円以上のオフィスチェアは機能面が充実しますので、無駄な機能があるために金額がかさんでいないか判断するためにも、自分に必要な機能をあらかじめ整理しておきましょう。

Q. 試座しないで買う場合に確認した方がいいことはありますか?

那波　基本的な機能はネット通販の商品情報欄に記載があります。

また、オフィスチェアを選ぶの際は自分の仕事中の姿勢に合ったモデルを選ぶことがもっとも重要な要素となりますので、「肘掛けの有無」や「サイズ感の調整ができるか」など必要な機能をあらかじめ把握しましょう。

Q. 購入前に試座したい場合はどうすればいいですか?

那波　オフィスチェアの購入前に試座できる場所は大型小売店などを含め多く存在します。ただし、試座を目的とした場合は「商品の知識が豊富なスタッフがいること」と「有名メーカー以外の品揃えも豊富であること」の2点が備わった場所を選ぶことをおすすめします。

上記の条件が揃うショールームの種類としては、「メーカー専門店」と「オフィス家具専門店」があります。すでに購入したいメーカーが決まっている場合は「メーカー専門店」が最適です。まだメーカーを限定できていない場合は「オフィス家具専門店」に足を運ぶのがよいでしょう。

Q. ありがとうございます。オフィスコムさんが展開されているショールームもあるのでしょうか?

那波　オフィスコムでは、全国9店舗(宮城・東京2店舗・神奈川2店舗・愛知・大阪・福岡・北海道)にオフィス家具専門のショールームを展開しています。専門のスタッフが姿勢やお悩みに合わせて最適なオフィスチェア選びをお手伝いいたしますので、ぜひ一度足をお運びください。なお、現在は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、一部店舗は「事前予約制」にて営業しております。

まとめ

オフィスチェアは長時間の仕事でも身体に負担がかからないよう設計されたものです。価格帯やデザイン、機能などさまざまな種類がありますが、まずは自分の作業中の姿勢を把握し、体格や前傾・後傾姿勢等に合ったサイズ感のオフィスチェアを選ぶことを心がけましょう。

プロフィール

インタビュー回答者

オフィスコム株式会社
商品企画部 本部長
那波 伸晃

オフィス家具業界歴13年、オフィスコム創業期のメンバー。数々のヒット商品を生み出し、ユーザー目線での商品開発を得意としている。

インタビュアー

lak dom合同会社
代表
石川 優貴

滋賀県庁、国土交通省、NHKなどを経験後、LINEにてLINE NEWSの編集に携わる。その後メディア事業の責任者を経て、フリーランスとして独立し、朝日新聞、HubSpotなどのSEOコンサルティング業務を担当。toB向け、toC向けに関わらず取材の対応も行っている。