更新:

サテライトオフィスの導入費用はどれくらい? 種類別に解説

あなたは「サテライトオフィス」を知っていますか?現在コロナ禍において、テレワークの導入が進み、働き方は多様化しています。当たり前のように通勤をしていた時代とは打って変わった環境になった方もいらっしゃるでしょう。そんな働き方に変化が表れ始めた昨今、少しずつ広がりを見せている新しいオフィスの形態が「サテライトオフィス」です。この新しいオフィスの様式は、働き方が多様化している現在、注目を集めています。

この記事では、サテライトオフィスの3つの種類や契約形態ごとの種類、専用型サテライトオフィスの導入費用などを紹介しています。「サテライトオフィス」の補助金・助成金についても触れていますので、導入を考えている企業の担当者の方はぜひ読んでみてください。

1.サテライトオフィスとは

1.サテライトオフィスとは

サテライトオフィスとは、企業が本社とは別の離れた場所に設置するオフィスのことです。なかには「支店のことじゃないの?」と思われる方もいらっしゃるでしょう。違いは、「何に重きをおいているか」です。

支社や支店は、企業にとって事業を継続する上で利便性のある場所に設置されます。たとえば、得意先が集中しているエリアや、これから伸びる可能性がある地域などです。しかし、サテライトオフィスはそういった事業の利便性よりも、従業員の利便性に重きをおいているのです。東京に通勤するために埼玉県に社員が多く住んでいるのであれば、埼玉県にオフィスを構える。このように従業員ファーストで設置されたオフィスを「サテライトオフィス」と呼びます。

サテライトオフィスは、「企業が用意したテレワークを行う場所」だといえるでしょう。

2.設置場所によるサテライトオフィスの種類

2.設置場所によるサテライトオフィスの種類

サテライトオフィスは設置される場所によって〇〇型と呼ばれ、それぞれ特徴があります。ここでは、具体的に何が違うのか?どういう場所に設置されるのか?などを具体的に解説していきます。

従業員の利便性を高めながら、3種類のサテライトオフィスからどの種類が自社にとって有益となるのかを考えてみてください。

2-1.都市型サテライトオフィス

都市型サテライトオフィスは、都市部に設置されるサテライトオフィスです。同一都市部に複数のサテライトオフィスを設けるメリットとしては、「移動時間の短縮による効率化」が挙げられます。取引先が多いエリアにオフィスを構えることで、効率的に外回りができるようになるのです。

また、地方の企業が都心部にサテライトオフィスを設置し、新たな顧客を獲得するといった目的でサテライトオフィスを設置するケースもあります。

2-2.郊外型サテライトオフィス

郊外型サテライトオフィスは、郊外に設置されるオフィスのことです。郊外型サテライトオフィスは、従業員にとって働きやすい環境を構築するためのオフィスだといえるでしょう。

多くのサラリーマンは、都市部に向け通勤するケースが多く見られ、通勤時間は往復1時間以上かかる方も多いのではないでしょうか。しかし、サテライトオフィスを郊外に設置することで通勤時間の削減だけでなく、交通費の削減などにつながります。

従業員にとっては通勤時間が減ることで「家族との団欒」や「趣味の時間」などに回せるため、ワークライフバランスの向上につながるのです。

2-3.地方型サテライトオフィス

地方型サテライトオフィスは、地方に設置されるオフィスのことです。地方型では、都市部に本社を持つ企業が、BCP(事業継続計画)の観点から取り入れるケースが増えてきています。また、地方型サテライトオフィスは国から補助金が出るため、地方型サテライトオフィス設置への後押しとなっているのです。

また、地方創生といった役割も担っており、地方にいる優秀な人材を確保できるなど、企業側のメリットもあります。地方ののどかな雰囲気で仕事ができるなど、従業員にとってもリフレッシュしながら仕事ができるメリットがあります。

3.契約形態によるサテライトオフィスの種類

3.契約形態によるサテライトオフィスの種類

サテライトオフィスの種類について解説しましたが、契約形態によっても種類が分かれています。契約形態は「専用型サテライトオフィス」と「共有型サテライトオフィス」の2種類に分類されます。

ここでは、契約形態ごとの特徴やメリットについて紹介していきましょう。それぞれのメリット・デメリットを見極め、自社にマッチする形態を選択してください。

3-1.専用型サテライトオフィス

専用型サテライトオフィスは、自社従業員専用の施設として企業が設置するサテライトオフィスのことです。コロナ禍において新たな働き方として定着した「テレワーク」を行う場所として使用でき、場合によっては営業に出ている途中で資料を取りに寄るといった使い方もできます。

また、自社専用とすることで自社の従業員もしくは出入りする業者のみしか立ち入りができないため、誰が利用したかのかを把握しやすくなるのです。

しかし専用型サテライトオフィスの場合、企業が場所の選定から維持管理をしなければならないため、コストがかかってしまいます。

3-2.共有型サテライトオフィス

共有型サテライトオフィスは、複数の企業で利用するオフィスで、「コワーキングスペース」や「シェアオフィス」と呼ばれています。共有型は企業の従業員のみならず、フリーランスや個人事業主が契約し利用しています。

共有型サテライトオフィスはさまざまな企業が利用するため、情報交換や交流が深められるメリットもあるのです。しかし、不特定多数が利用するため、情報の流出といったセキュリティー面の対策が必須となります。

コスト面では専用型サテライトオフィスと比べるとコストはかかりません。これは、すでにあるオフィスを利用するため導入コストが安くなるからです。

4.サテライトオフィス種類別の導入費用

4.サテライトオフィス種類別の導入費用

サテライトオフィスでは種類によって初期投資費用や維持管理費が変わってきます。初期投資費用で比較すると、専用型サテライトオフィスは初期投資額が多くなる傾向があり、一方の共有型は初期投資額を抑えられます。それぞれの導入費用を知り、どちららのサテライトオフィスが自社にとって有益であるかを判断しましょう。

4-1.専用型サテライトオフィス(都市型・郊外型・地方型)の導入費用例

専用型サテライトオフィスは、基本的に家賃契約を結びオフィスを設置する必要があります。都市型の例として、東京都新宿区にサテライトオフィスを設置すると、築年数や広さ、設備などによって左右されますが、坪単価2万円前後が相場となるでしょう。

6坪程度のサテライトオフィスに従業員を2-3名配置し、坪単価2万円とすると家賃は12万円となります。また、賃貸契約時に敷金6か月分(家賃同額)と礼金を1か月分で84万円、火災保険が10万円、仲介手数料を家賃1か月分と試算すると合計106万円の初期投資費用となります。

郊外型・地方型はそれぞれの家賃相場によるため一概には言えませんが、地方型のほうが都市型よりも家賃が安く済むため、初期投資費用は下がるでしょう。

上記以外にも内装工事費や家具・OA機器のリース代・購入費、通信費用や光熱費がかかることを覚えておいてください。

共有型サテライトオフィスは、すでに運営されているオフィスを利用するため、初期費用を抑えられます。

4-2.共有型サテライトオフィス(都市型・郊外型・地方型)の導入費用例

都内のシェアオフィスを借りる場合、月にかかる費用は1人あたり1万~2万円程度が相場となっています。2-3名で利用する場合には2万~5万円程度になるでしょう。専用型では賃貸契約にかかる初期費用と、内装工事費などが必要でしたが、シェアオフィスにはこうした費用はかかりません。利用するシェアオフィスによっては、初期費用やオプション費用がかかるケースがあります。

共有型サテライトオフィスは少人数ではじめ、効果があるようであれば人数を増やせるなど柔軟に対応できます。また、セキュリティーの問題がクリアできれば、費用面だけ考えると、共有型サテライトオフィスの方が費用を抑えやすいでしょう。

郊外型・地方型はシェアオフィスがない場合もあり、あったとしても月額費用は都市型とほぼ変わらないケースが多くなっています。

5.サテライトオフィス導入費用に補助金や助成金を活用できる場合も

5.サテライトオフィス導入費用に補助金や助成金を活用できる場合も

サテライトオフィスを導入する場合、補助金や助成金を活用できるケースもあります。サテライトオフィスを整備しテレワーク環境の構築を補助する総務省の「ふるさとネットワーク」では、民間企業を中心に地方自治体なども利用できる制度となっています。

東京都では独自の補助金を導入しており、テレワーク定着化に向けた「サテライトオフィス設置等補助事業」を行っています。企業・団体を対象とする「民間コース」、市区町村を対象とした「行政コース」が利用可能です。また、補助事業者が一定の要件を満たしていると、補助金限度額及び補助率が上がる場合があります。

サテライトオフィスを導入する際は、補助金や助成金の有無を調べておくことをおすすめします。

まとめ

サテライトオフィスは、働き方が多様化している現代社会では、これから更に増えていく可能性が十分にあります。サテライトオフィスは従業員のワークライフバランスの向上に寄与するだけでなく、業務の効率化に繋げられるなどさまざまなメリットがあります。

自社にはどのサテライトオフィスがマッチするのか?またメリット以外にデメリットはどういったものがあるのかを精査し、設置の可否を判断してください。補助金や助成金を上手く活用し、より快適な職場づくりに挑戦してみてはいかがでしょうか。

↑ ページの先頭へ