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腰に負担の少ないオフィスチェア6選|手軽にできる腰痛対策も紹介

デスクワークによる腰の痛みや精神的な疲労は、作業効率を低下させ、企業の利益を妨げる要素といえます。「慢性的な腰痛や肩凝りが悩みのタネ」「パソコン作業で目が疲労する」といった悩みを抱える従業員に対し、適切に対処するのは経営者に求められる責任業務のひとつです。

そこで今回は、デスクワークで腰痛になる原因について解説したあとで、その対策をご紹介します。腰への負担を軽減できるおすすめオフィスチェアも紹介していますので、あわせてご参照ください。

▼このコラムを読んでもらいたい方

  • ・従業員の作業能率を引き上げたい方
  • ・長時間のデスクワークで腰の負担が気になる方
  • ・肩こりで仕事に集中できない方

▼このコラムを読んで得られる情報

  • ・デスクワークが腰に負担をかける原因
  • ・腰の負担を軽減してデスクワークする対策
  • ・プロ厳選!腰に負担の少ないおすすめオフィスチェア

1.デスクワークで腰痛になる3つの原因

なぜデスクワークで腰痛に?考えられる3つの原因

座った姿勢(座位)と立った姿勢(立位)のエネルギー消費量を比較すると、立ち姿勢の方がより多くのカロリーを要する姿勢といわれています。また、デスクワークは、全身の筋肉を使用する訳でもないため、座った姿勢は立った姿勢に比べて楽に過ごせるはずです。

それにも関わらず、デスクワークによって腰痛が生じる事例も少なくアリません。まずは、デスクワークによる腰痛で考えられる3つの原因をご紹介します。

1-1.座ることが腰に大きな負担を与えるため

長時間のデスクワークは、骨や身体に負担がかかります。その結果、腰椎の圧迫や腰骨の歪みを招いてしまい、腰痛を招くおそれがあるのも事実です。実は、立った姿勢よりも座った姿勢の方が約1.4倍の負荷が掛かるとされています。「起立時と比較すると楽」といったイメージを持つ人は多いものの、座る姿勢も身体に対する負担が大きく、腰痛リスクの高い姿勢に該当する点に注意が必要です。

背骨は非常に複雑な形状であるため、デリケートな部位に該当します。些細な姿勢の崩れから不調を起こし、腰痛やしびれ等の症状を起こす可能性が高い部位です。日々のデスクワークによる負荷の蓄積から重症化するケースも存在するため、できる限り早い対処が求められます。

1-2.腰に負担の大きい座り方になっているため

座った姿勢がもともと腰回りに負担が大きい点に加えて、座り方の間違いが腰痛を招く可能性もあります。デスクワークを行う人によく見られる座り方の間違いパターンは、前傾姿勢を伴う前かがみの作業です。

前傾姿勢を伴う座位から生じる負荷は、起立時の約1.85倍とされています。腰椎椎間板に対する負担が大きいほど、筋肉の硬直や身体の歪みを招き、腰痛につながるリスクは高いと言えます。

前傾姿勢を伴う座り方に陥る原因は、以下の4点です。

  • ・パソコンのディスプレイ位置が低い
  • ・オフィスチェアの高さが高く、かかとが付かない
  • ・慢性的な猫背姿勢
  • ・書類仕事で前かがみ状態が多い

オフィスチェアの高さや猫背姿勢は、腰に負担の少ないオフィスチェアを使用して姿勢を正すと予防する効果が期待できます。また、前傾姿勢をサポートするオフィスチェアを使えば、書類仕事などの姿勢もサポートできるため要チェックです。

1-3.身体への圧力が分散されていないチェアに座っているため

最後に、オフィスチェア本体の性能不足です。狭い範囲に体圧がかかるオフィスチェアを使用していると、腰に対して大きな負担をかけてしまいます。ブロック塀や木製スツールに長時間腰掛けていると、「お尻が痛い」と感じた経験がある方も少なくないでしょう。
この現象は、特定範囲に体圧が集中する影響から生じた症状です。過度に固い座面のオフィスチェアに座っていても、同様の事象が生じる可能性があります。

反対に、過度にやわらかい座面のオフィスチェアでは、上半身が安定しないため、姿勢が崩れてしまう可能性も。
腰に対する負担の少ない姿勢の維持には、「固すぎず・やわらかすぎず」といった適度な固さの座面がおすすめです。

2.長時間のデスクワークも快適に過ごす腰痛対策とは?

長時間に及ぶデスクワークで腰痛予防を行うためには、座り方の改善が不可欠です。適度に休憩を挟み、腰痛を予防する効果が期待できる簡単なストレッチを行いましょう。

ここからは、腰の疲労を和らげる正しい座り方と、仕事の合間に行うストレッチのやり方を分かりやすく解説します。

2-1.正しい座り方を知る

正しい座り方のポイントは、骨盤を固定し、背中を伸ばして座る姿勢です。背もたれにお尻が触れる程度まで深く腰掛け、上体を起こします。そのまま腹筋に力を入れ、上半身を真っ直ぐに伸ばし、あごを引いた状態が基本の座り姿勢です。

前傾姿勢予防のために、机と椅子の距離を大きく離さず、適度な位置に調整するのもポイント。キーボードやマウスを机の手前に引き寄せ、背筋を真っ直ぐ維持します。肘や膝は垂直に曲げ、かかとは床にきちんとつけましょう。

正しい座り方は深い呼吸を促すため、多くの酸素を脳に届け、集中力や判断力、思考力を高める効果も期待できます。身体のバランスを維持するためのエネルギー浪費も抑制され、作業効率を高めることが可能です。

また、オフィスチェアによっては「ランバーサポート(腰当て)」などがついているモデルも存在します。背骨が理想的なS字を描くのをサポートしてくれるほか、腰回りをしっかりとホールドしてくれるため、腰痛を解消する効果も期待できます。

2-2.適度にストレッチを行う

正しい座り方だけでなく、就業前後もしくは休憩中など、定期的に簡単なストレッチを行うのも大切です。デスクワークを1時間行うごとに1分から2分の小休止を設け、身体を動かす習慣を作りましょう。

ここでは、腰痛予防に役立つ簡単なストレッチ方法を紹介します。腰痛予防目的であれば、1回の体操あたり1〜2回を目安に手順通り行いましょう。

腰痛予防に役立つ簡単なストレッチ
  • ①肩幅に足を開き、膝を伸ばした状態で、真っ直ぐ立つ
  • ②両手の指を下向きにし、手をお尻の位置に添える
  • ③息を吐きながら、骨盤を押し出すように、上半身を反らせる
  • ④反り姿勢のまま3秒数え、ゆっくり元に戻す

3.腰痛対策におすすめのオフィスチェア6選

厚生労働省「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」によると、心身の負担を軽減するために導入するオフィスチェアは、以下の条件を満たすスペックが望ましいとされています。

  • (イ)安定しており、かつ、容易に移動できること。
  • (ロ)床からの座面の高さは、作業者の体形に合わせて、適切な状態に調整できること。
  • (ハ)複数の作業者が交替で同一の椅子を使用する場合には、高さの調整が容易であり、調整中に座面が落下しない構造であること。
  • (ニ)適当な背もたれを有していること。また、背もたれは、傾きを調整できることが望ましい。
  • (ホ)必要に応じて適当な長さの肘掛けを有していること。
引用元:情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドラインhttps://www.mhlw.go.jp/content/000539604.pdf

ここからは、ガイドラインの内容を踏まえ、オフィスチェアによる腰の痛みや上半身の疲労軽減に貢献するおすすめのオフィスチェアを紹介します。

3-1.圧迫感のない「ローバックチェア」

ローバックチェアとは、背もたれの高さが背中の中間あたりまであるオフィスチェアを指します。背もたれの高さに対して明確な数値基準は存在しないため、より背もたれが低く、腰の位置までの高さに留めるローバックチェアも見られます。

適度な高さの背もたれは、背中や腰に掛かる負担を和らげ、姿勢の維持を支援する重要な存在です。ローバックタイプのオフィスチェアなら視界を大きく遮らないため、小さめのオフィスや省スペース運用にも適しています。

【オフィスチェア/腰楽ローバック メッシュタイプ】

【オフィスチェア/腰楽ローバック メッシュタイプ】

背中のS字カーブを維持する機能が特徴的なローバックタイプのオフィスチェアです。ブラック他、3色のカラーバリエーションから選択できます。

サイズ 幅590×奥560×高さ930-1030×座面高440-540mm
重量 12.4kg
材質 ポリエステル・スチール・クロムメッキ
【オフィスチェア/肘なしチャットチェア】

【オフィスチェア/肘なしチャットチェア】

十分な厚みのウレタンクッション・背面のランバーサポートにより、長時間のデスクワークでも腰が疲労しにくいオフィスチェアです。

サイズ 幅580×奥行580×高さ835〜930mm
座面高405〜500mm
重量 6.4kg
材質 背 / ポリエステルメッシュ・スチールパイプ(粉体塗装)座 / 合板・ポリエステル・ウレタンフォーム
脚部 / ナイロン

3-2.ゆったりとした座り心地の「ハイバックチェア」

ハイバックチェアとは、背もたれの高さが肩程度ほどあるオフィスチェアを指します。背もたれの高さはオフィスチェアメーカーごとに違いが存在するものの、背中全体を支える形状やサイズ感が一般的です。
そのため、長時間の使用に適しており、ゆったりとした座り心地を実現。腰に負担の少ないオフィスチェアをお探しの場合は、ハイバック以上のモデルがおすすめです。

ハイバック以上のオフィスチェアには、ランバーサポート機能(腰椎を支えて疲労を軽減する機能)、ヘッドレスト(頭部の角度や重みを支える)など、オプション機能を持つ商品も多く、予算や希望条件に応じて選択できます。

【オフィスチェア/腰楽ハイバックタイプ】

【オフィスチェア/腰楽ハイバックタイプ】

年間累計販売数12,000脚を誇るロングセラーシリーズのハイバックタイプで、クッション性の高い座面と背面のフィット感が特徴です。

サイズ 幅620×奥620×高さ1090-1190×座面高440-540mm
重量 14.4kg
材質 ポリエステル・スチール・クロムメッキ
オフィスチェア YS-1 肘付き 可動肘

オフィスチェア YS-1 肘付き 可動肘

腰回りを優しく支えるランバーサポート付きのハイバックのオフィスチェアで、身体にかかる負担を軽減できます。可変式ヘッドレストで自分好みの角度に調節できます。

サイズ 幅700×奥行700×高さ1140〜1240mm
座面高さ:440〜540mm
重量 18.6kg
材質 張地:ポリエステル、背:ナイロン、座:モールドウレタン・ナイロン、背部:ナイロン・ポリエステル、肘:ナイロン、ヘッドレスト:ナイロン、脚部:アルミ、キャスター:ウレタン

3-3.背もたれが後ろに倒れる「ロッキングチェア」

ロッキングチェアとは、背もたれを後方に倒す機能付きのオフィスチェアを指します。長時間のデスクワークを行う時、椅子に腰掛けながらちょっとしたひと休憩も行えるため、心身の負担軽減が可能です。

背もたれの機能から詳細分類を行うと、3種類に分類できます。

背ロッキング 背もたれ部分のみ後方に傾くタイプです。
背・座ロッキング 背もたれ及び座面の後部が連動し、後方に傾くタイプです。
シンクロロッキング 背もたれ・座面を個別に稼働し、調整ができるタイプです。

身体の負担軽減を考えてロッキングできるオフィスチェアを探すときは、ヘッドレストの有無にも注目するのをおすすめします。頭部の重さは、自分自身の体重の約1割とも言われており、ヘッドレストで支えるだけで身体にかかる負担を軽減できるのも事実です。また、ヘッドレスト付きモデルは身体の負担を軽減したデザインが多く、腰痛・疲労防止効果が期待できるモデルが多数登場しています。

【クロッカ/リクライニングオフィスチェアオフィスチェア】

【クロッカ/リクライニングオフィスチェアオフィスチェア】

体重に応じて背面の傾き調整を行う画期的なオフィスチェアです。稼働肘であるため、高さの低い机の下にも、すっきりと収納できます。

サイズ 幅675×奥行660×高さ965~1060mm
座面高さ:430~530mm
重量 13.4kg
材質 生地(張り材)/ポリエステル
クッション材/ウレタンフォーム
背もたれ・脚部/ナイロン
座部/合板
キャスター/ナイロン
オカムラ シルフィー エクストラハイバック

オカムラ シルフィー エクストラハイバック

大きなヘッドレスト付きでリクライニングを快適に行えるオフィスチェアです。「背座シンクロリクライニング」に加えて、前傾姿勢をサポートする機構も取り入れられています。

サイズ 外寸 / 幅648×奥行588~638×高さ1147~1247mm
座面高さ / 420~520mm
脚 / 直径700mm
重量 -
材質 背フレーム / 樹脂成型品 、肘 / 樹脂成型品 、座シェル / 樹脂成型品 、脚 / 樹脂成型品 、キャスター / 直径60mmナイロン双輪キャスター

まとめ

長時間のデスクワークで腰痛などの症状が発生すると、作業効率は大きく下がってしまいます。そのため、早い段階からオフィスチェアの見直しや、腰痛になりにくいストレッチへ取り組むことが大切です。

姿勢を改善すれば、パソコン作業に伴う腰痛や背中の凝りなどを予防する効果も期待できます。とはいえ、普段から意識するだけで腰痛対策を行えるとは断言できません。そのため、自然と正しい姿勢を維持できるようランバーサポート付きなどのオフィスチェアを利用するのをおすすめします

適切な環境整備は、厚生労働省の推奨する労働衛生管理対策のひとつです。

従業員がストレスを感じないように、作業環境の見直すのは経営者の責務とも言えます。

快適性の高いオフィスは、労働災害を抑制するだけではなく、モチベーションの向上や作業効率改善など、多くのメリットをもたらします。快適な職場づくりの第一段階として、高機能オフィスチェアの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

在宅勤務・テレワーク 椅子(チェア)

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