最新トレンドを取り入れたオフィスデザイン・レイアウト事例
従業員のモチベーションアップや組織の生産性向上に大きくつながる要素のひとつが、オフィスデザインです。
オフィスデザインを変更するタイミングは、オフィスの移転時だけではありません。生産性向上や人材確保を目的とした「オフィス改革」の取り組みとして、オフィスデザインの一新を行う企業も多くあります。
今回は、最新トレンドを取り入れたオフィスデザイン・レイアウト事例を紹介します。現在のオフィスにおいて、「物足りない」「生産性が落ちている」と感じている企業の社長や重役は、ぜひ参考にしてください。
1.【2021年】ABW導入による「今後のオフィスに求められるもの」
近年では、自由な働き方を実現するワークスタイルとして、さまざまな企業で「ABW」が導入されつつあります。ABWとは、「Activity Based Working」の略であり、従業員が自由に働く場所を選べるオフィスデザインのことです。机や椅子などに限らず、働く場所のすべてを自由に選べます。
ABWと混同されることが多いオフィスデザインのひとつが「フリーアドレス」です。フリーアドレスは、働く机や椅子などを従業員ごとに固定せず、好きな場所に座って仕事ができるオフィスデザインを指します。
そのため、「働く場所の自由度」に焦点を当てると、ABWはフリーアドレスを上回っていると言えるでしょう。
1-1.リモートワークの浸透により「さらなる自由度」が求められる?
これまでの日本におけるオフィスデザインは、従業員一人ひとりに机と椅子が与えられ、固定された場所で仕事を行うことが一般的でした。しかし、2020年に世界規模で流行した新型コロナウイルス感染症によって、自宅で仕事をするリモートワークが社会に浸透します。
リモートワークの利点は、場所や環境に縛られることなく仕事ができる点です。多くの方が「通勤をしない」という選択をできる現在、今後のオフィスには「自分で働く場所を選べること」が求められると推測できます。
仕事では、静かな環境で集中したいときや、自由に話して良い場所で活発に意見交換したいときなど、そのときによって働きたい環境が異なります。そのため、目的に応じて自由な場所で働けることは、仕事の効率性や従業員の集中力を高める点で大きなメリットです。
オフィスデザインの一新にはコストがかかります。しかし、従業員の満足度が高まることで、人材確保などの効果も期待でき、結果として企業成長につながります。組織全体の生産性向上により、長期的な視点で考えた場合の費用対効果は大きいと言えるでしょう。
2.【基本】オフィスデザインを決めるポイント
オフィスデザインを決める際には、下記2点のポイントをおさえることが重要です。
- 企業のコーポレートカラーに合わせる
- 1つの部屋に対して1つのコンセプトを作る
オフィスデザインは、企業のコーポレートカラーに合わせることがおすすめです。コーポレートカラーをメインカラーやアクセントにすることで、オフィス全体に統一感が生まれます。
そのうえで、「未来的なイメージのオフィスにしたい」「カフェスペースのようなデザイン性が高い空間にしたい」などコンセプトを決めてください。コンセプトに沿って壁・天井・床などのデザインを決めることで、まとまりを持った独自の空間が出来上がります。
また、1つの部屋に対して1つのコンセプトを作ることもポイントです。トレンドを取り入れすぎると、かえって雑多な雰囲気が出てしまいます。従業員も集中しづらくなり、結果として生産性を下げてしまうことも否めません。
オフィスのコンセプトに合わせたトレンドを、厳選して取り入れることが重要です。
3.海外トレンドを取り入れたオフィスデザイン・レイアウト事例
日本のオフィスデザインの多くは、ABWのように海外から取り入れられています。そのため、オフィスデザインの最新トレンドを知るうえでは、海外トレンドを取り入れたオフィスデザイン・レイアウト事例を知ることが重要です。
ここでは、海外トレンドを取り入れたオフィスデザイン・レイアウト事例を、必要となるおすすめのオフィス家具とあわせて紹介します。
3-1.(1)創造力が豊かになる個性的なワークスペース
まずは、従業員が頻繁に利用するワークスペースの事例から紹介します。海外トレンドを取り入れたオフィスデザイン・レイアウトでは、創造力が豊かになる個性的なワークスペースが豊富です。
個性的なワークスペースには、以下の事例があります。
〇グリーンが多く設置されたソロワークスペース
ソロワークスペースには、大画面液晶モニターが設置されたスペースと、自分のノートパソコンを持ち運んで利用できるスペースの2箇所があります。自分のノートパソコンで作業するスペースには昇降デスクが設置されており、好きな高さに調整できることで、疲れにくくなる点がメリットです。
また、ソロワークスペースの最大の特徴として、目を休める効果があるグリーンが多く設置される点が挙げられます。グリーンは、机の周辺だけでなく、椅子を倒したときに目に入るよう、照明付近にも設置されていることがポイントです。
おすすめの家具 |
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〇サロンのようなファシリテーションワークスペース
ファシリテーションワークスペースには、ハイバックソファと通常の一人掛けソファが、サロンのように設置されています。
ハイバックソファには、支社長などの責任者が座り、次々と入れ替わる部下とコミュニケーションをとったり、アドバイスしたりする仕組みです。
さらに、ハイバックソファにのみ机を設置しなければ、支社長などの責任者はパソコンなどを持ち込んで自分の仕事をすることができません。しかし机をあえて設置しないことで、ファシリテーションワークスペースにいる間は、従業員の対応に専念することが可能です。
おすすめの家具 |
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〇アクティブワークスペース
アクティブワークスペースには、ホワイトボードや吸音効果パネルが設置され、従業員同士がにぎやかに会話しながら、アイデアを出し合えるスペースとなっています。ざっくばらんに意見を出し合いたいときなどにおすすめです。
また、アクティブワークスペースには、書籍や書類が整理された大きな本棚を設置することで、会話の最中に気になったこともすぐに調べられる機能性が高いスペースとなります。
おすすめの家具 |
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3-2.(2)ストレス発散や気分転換のできる娯楽スペース
従業員がいつでもストレス発散や気分転換ができるよう、娯楽スペースを設けるオフィスデザインもあります。娯楽スペースに設置する娯楽品の例は、下記のとおりです。
娯楽品の例 |
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娯楽スペースを設けるメリットは、従業員がうまくリフレッシュしながら仕事に取り組めるようになり、生産性が向上することです。さらに、娯楽を通してコミュニケーションが生まれ、組織の活性化も期待できます。
娯楽スペースを設ける際は、上記に挙げたような娯楽品を購入する必要があります。導入したい娯楽を検討したうえで、必要な娯楽品を購入しましょう。
3-3.(3)自宅のようにくつろげるフリースペース
フリースペースは、目的を限定せずに「従業員が好きなように利用しても良い」とするエリアです。海外トレンドを取り入れたオフィスデザイン・レイアウトでは、自宅のようにくつろげるフリースペースを設けている事例もあります。
おすすめの家具 |
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たとえば、自宅のダイニングルームのような空間にソファやクッションなどが置かれたフリースペースは、オフィス内とは思えないような解放感が特徴です。個人でくつろぐだけでなく、ざっくばらんに会話ができるミーティングスペースとして利用するなど、それぞれのスタイルに合わせて活用できます。
職場で気を張ってしまう従業員は、意外と少なくありません。しかし、自宅にいるかのようにくつろげるフリースペースを設置すれば、従業員のストレスは軽減され、満足度の向上も期待できるでしょう。
まとめ
かつて海外で注目され、日本でも話題を呼んでいるABWは、働く場所を自由に選べるワークスタイルです。リモートワークが浸透し、自由な働き方の実現が可能となっている現在において、ABWは今後のオフィスに求められるデザインだと言えます。
オフィスデザインを決める際に重要なポイントは、「企業のコーポレートカラーに合わせる」「1つの部屋に対して1つのコンセプトを作る」の2点です。オフィスデザインを決める際は、各ポイントの内容をしっかりおさえてください。
日本のワークスタイルやオフィスデザインは、海外トレンドから取り入れられることも多々あります。海外のオフィスデザインを参考に、従業員と企業の双方にとってメリットのあるオフィスデザインをぜひ実現してみてください。