オフィスレイアウトの基準寸法|人が通れる最低幅やパターン例も紹介!
オフィスデザインは、働きやすさや生産性を大きく左右する要素です。オフィス移転や内装工事の忙しい時期でも、妥協せずにしっかりと吟味してレイアウトを選定する必要があります。
そこで今回は、オフィスレイアウトの基準寸法から、レイアウト例と各レイアウトによるメリット・デメリット、レイアウトに合わせたオフィス家具の選び方までを紹介します。
事務所レイアウトに関する基本を網羅しているため、オフィス移転や新規開設を控えている人はぜひ参考にしてください。
▼このコラムを読んでもらいたい方
- ・新しく事務所を新設する方
- ・オフィスのレイアウトを刷新したい方
- ・レイアウトに合うオフィス家具選びに悩んでいる方
▼このコラムを読んで得られる情報
- ・オフィスレイアウトの基準とはなにか
- ・代表的なレイアウトパターン
- ・オフィスのレイアウトに合わせた家具の選び方
1.オフィスレイアウトの基準寸法|人がすれ違える通路幅
オフィスレイアウトの基準寸法とは、オフィス空間における「最適な机と机の距離」「人と人がすれ違うための通路の幅」などを指します。基準寸法に則り事務所をレイアウトすれば、動線を確保した使いやすいオフィスの構築が可能です。
事務所のレイアウトを考える際に基準となる寸法は以下の通りです。
①通路
人一人が通るのに必要な通路幅は最低60cmとされています。人が通れる幅に余裕を持たせたければ、一人80cmは設けてもよいでしょう。通路で人がすれ違える幅寸法は、最低でも120cm、余裕をもってすれ違えるようにするなら160cmの確保がおすすめです。なお、日本オフィス家具協会では避難経路にもなるメイン通路の幅を120cm以上にすることを推奨しています。
②デスクとデスク
人が余裕をもって着席できる基準寸法は45cmとされているほか、デスクとデスクの幅はレイアウトによって左右されます。デスク同士が「背中合わせ」の適切な寸法幅は、180cmほどのデスク間幅が必要だとされています。デスク同士が「横並び」の寸法幅は、人がすれ違える幅と同じくできれば120cm以上がおすすめです。しかし、人一人が通れるだけでも十分なら、60~90cmでも問題ありません。
③デスクとコピー機・デスクと書庫
デスクとコピー機のスペースにおける基準寸法は最低100cmです。コピー機を使っている最中にもう一人すれ違える幅がほしければ、通路と同様120cmは確保する必要があります。
デスクと書庫の距離は、書庫の扉が開いた際の幅も考慮したレイアウトが大切です。最低でも120cmは必要で、最低幅よりも50cm余裕を持たせて配置すると、ゆったりとした通行しやすい動線を確保できます。
2.オフィスのレイアウト例3パターン
事務所のレイアウトには、ある程度のパターンがあります。オフィスデスクの数や事務所のスペース、業種を考慮して、自社のオフィス環境に最適なレイアウトを考えましょう。
ここでは、オフィスの事務所レイアウトによく採用される、3パターンのレイアウト例・デスク配置例を紹介します。
2-1.島型レイアウト
島型レイアウトとは、部署ごとに固めてデスクで島を作るレイアウトです。学校などにおけるグループ学習時の班形態がイメージしやすいでしょう。
同じ島同士でコミュニケーションが取りやすいため、部署内で協力して作業するシーンや、「ディレクター/デザイナー/エンジニア」のようにチームでプロジェクトを進める形態に向いています。無駄のないレイアウトで、オフィスのスペース効率が高い特徴がメリットです。
また、部署ごとに島を分けると、担当の居場所が一目瞭然となり、外部から来た人も把握しやすいメリットがあります。デスクが統一されているため、人員変動の際も移動させやすいレイアウトです。
島型レイアウトのデメリットは、社員間のプライベートを確保しづらい点があげられます。また、部署同士が背を向けているため、互いに排他的になりやすく、部署間のコミュニケーションが生まれづらいのもデメリットです。
2-2.同向型レイアウト
同向型レイアウトとは、すべてのデスクが同じ方向を向いているレイアウトです。学校の一般的な授業における机の配置をイメージするとわかりやすいでしょう。
横との繋がりはありつつも、個々のプライバシーを確保しやすい点がメリットです。そのため、個人が集中して業務を行う「プログラマー」「システムエンジニア」「コールセンター」などの職種に向いています。
さらに、書類や伝票の流れに沿ったレイアウトにすれば、業務効率を高められるのがメリットです。全員が前方を向いているため、銀行や保険窓口などお客様を迎えやすい機能性も特徴です。
同向型レイアウトのデメリットとしては、スペースを有効的に使いづらい点が第一にあげられます。そのほか、島型レイアウトなどと比べると、メンバー間でコミュニケーションを取りづらいのもデメリットのひとつです。
2-3.フリーアドレス式レイアウト
フリーアドレス式レイアウトとは、固定席を作らず、従業員が好きな席を自由に使うレイアウトです。仕事に必要なノートPCや携帯電話は各自で管理します。昨今採用する企業が増えている注目の事務所レイアウトです。
一番のメリットは、部署などの壁を超えたメンバー間のコミュニケーションが活発になりやすさです。より多くのメンバーと積極的に関わりやすくなるため、メンバー間・チーム間でコラボレーションが生まれ、思いがけないアイデアが生まれるきっかけにもなります。
さらに、フリーアドレス式の基本レイアウトは島型と同じなため、スペースコストが低いのもメリットのひとつです。打ち合わせを通常業務と同じ部屋で済ませられるため、会議室を用意する必要もありません。
フリーアドレス式レイアウトのデメリットとしては、メンバー間の距離感を保ちづらく、個人作業に集中しづらい機能性があげられます。自由度は高いものの個人デスクがないため、パソコンや書類を管理するための収納スペースを確保したり、セキュリティ問題についても考慮したりする必要があります。
オフィスコムでは、事務所ごとの特色に合わせたオフィスレイアウトの提案や設計、施工までのワンストップサービスを提供しています。オフィスレイアウトにお悩みの方は、お気軽にオフィスコムまでご相談ください。
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3.オフィスレイアウトに合わせた家具の選び方
事務所の移転や開設時に必要なオフィス家具は「オフィスデスク」「オフィスチェア」「書庫・収納キャビネット」「サイドキャビネット・デスクキャビネット」などなど、多岐にわたります。事務所のレイアウトを決めることと同様、事前のオフィス家具選びも、オフィスづくりにおいて非常に重要です。
最後に、レイアウトに合わせたオフィス家具選びについて紹介します。
3-1.オフィスデスク
オフィスデスクは、事務所のレイアウトを考えるうえでもっとも重要です。数が多くスペースも必要なため、サイズと必要な人数、それにかかる費用を確認しましょう。
オフィスデスクのもっともスタンダードなサイズ幅は120cmです。クリエイター系の職種など、モニターが2つ必要だったり、図面を広げる機会が多かったりする場合は、よりゆったりした140~160cmのオフィスデスクだと作業スペースを確保しやすくなります。
反対に外出が多い営業職や、ノートパソコンと手帳で事足りる職種などは、デスク幅が100cmでも十分な場合もあります。
費用を抑えたい場合には、キャビネットデスクを選ぶことで、デスクとサイドキャビネットをセットで買うより安く済ませられるのもポイントです。
3-2.オフィスチェア
オフィスチェアは長時間体を預けるオフィス家具のため、機能性が非常に重要です。体に疲労感が溜まりやすいオフィスチェアでは、業務効率に支障を来すおそれも。長く座っていても疲れにくいオフィスチェアを選びましょう。
オフィスチェアでは、背もたれが低いローバックが定番で、価格も手頃です。しかし、長時間座って作業する場合は、体への負担や座り心地を考え、より背もたれが高いミドルバックやハイバックも考慮に入れましょう。
肘掛けも体の負担を和らげるのに役立ちますが、肘掛けの高さによってはオフィスデスク下にしまえないケースも。肘掛けのついたオフィスチェアを購入する際は、デスク下に収納できる高さか、肘掛けの位置を調整できるモデルかチェックしておくのをおすすめします。
オフィスチェアは機能性が重要とはいえ、機能を追求すれば費用はその分多くかかってしまいます。オフィスチェアは必要数も多いため、費用を計算しつつ慎重に選びましょう。
3-3.書庫・収納キャビネット
書庫やキャビネットは、書物や保管物など、個人のデスクやサイドキャビネットには入らないモノを整理する時に必要です。数が少ない分、用途に合わせて丁寧に選びましょう。設置スペースも考慮したうえで、事務所のオフィスレイアウトを見直す必要があります。
キャビネットを選ぶ際は、「オープンタイプ」と「鍵付きタイプ」のどちらを選ぶべきかを考慮しましょう。
扉がないオープンタイプはモノが探しやすく、かつ取り出しやすい点がメリットです。利用頻度の高い書物を収納する場合に最適ですが、セキュリティ面から考えると保管できる書類は限定されます。
対して鍵付き扉があるタイプは、セキュリティ面に優れ機密文書も収納が可能です。しかし、鍵を準備しなければ中のモノを取り出せないため、頻繁に利用される書類の収納には向きません。
キャビネットはほかのオフィス家具より大きい分、設置するスペースもしっかり吟味することが大切です。扉つきキャビネットを選ぶ場合、扉を開け閉めしても通路をふさがないか、人が通れる最低通路幅60cmを考慮したうえで確認する必要があります。
3-4.サイドキャビネット・デスクキャビネット
サイドキャビネット・デスクキャビネットは、個人用オフィスデスクに併設する収納です。書類などを多く収納できるため、デスク上の整理整頓にも役立ちます。
資料が少なく、オフィスデスクをあまり使用しない人にはキャビネット類が不要な場合もあります。収納スペースが不要な場合は、オフィスレイアウトの省スペースを実現するため省いても問題ありません。
オフィスコムには、さまざまなレイアウトに適したオフィス家具を豊富に取り揃えています。レイアウトに適したオフィス家具をお探しの方は、ぜひオフィスコムをご覧ください。
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まとめ
事務所のレイアウトには基準となる寸法があり、人が通れる最低幅などの動線を確保する必要があります。基準寸法に則りレイアウトを考えれば、動線を確保して快適なオフィスワークを実現可能です。
事務所などオフィスレイアウトにはある程度のパターンがあるため、各パターンと基準寸法、事務所のスペースを照らし合わせてレイアウトを考えるのをおすすめします。
また、実際にオフィス内で使用するオフィス家具の選定も大切です。用途に合わせた機能選びはもちろん、従業員数に応じた数を揃えなければいけないため、予算を考えて選ぶのが大変な要素といえます。
とはいえ、効率よく業務をこなすためには、動線の確保されたレイアウトと、レイアウトに合わせたオフィス家具選びが重要です。業務内容や使用できるスペースなどを総合的に考慮しながら、オフィス作りをしていきましょう。
なお、オフィスコムではオフィスの開設・リフォームをサポートするサービスを提供しております。事業内容に適したレイアウトや、事務所のデザインに合わせたオフィスづくりを提案・設計・実施いたしますので、ぜひお気軽にお声がけください。
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