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モニターアームの選び方と設置時の確認事項

モニターアームは「マルチモニター設置して机上を広く使いたい」「自分の楽な姿勢でPC作業をしたい」時に重宝するアイテムです。
快適なパソコン作業を求めて、モニターアームの購入を考えている人もいるでしょう。

しかし、PCモニターにさまざまな種類があるように、モニターアームにも多彩な種類が存在するため、安易に選ぶと失敗してしまうかもしれません。
今回は、モニターアームの選び方と、設置時に注意したい確認事項について解説します。

1.モニターアームの選び方

モニターアームは、PCモニターを壁やデスクに固定するためのパソコン周辺機器です。
アーム可動部は関節構造となっており、ただ固定するだけでなく、設定された可動域内でモニターを動かすことができます。

モニターアームを選ぶ時は、PCモニターで普段行う作業を想定しなければなりません。

まずは、モニターアームの選び方を、6つのポイントで説明します。

1-1.設置可能台数

モニターアームに設置できるPCモニター台数は、製品によってさまざまです。
1台用シングルアームや2台用デュアルモニターアーム、さらに3台・4台・6台など、複数台のマルチモニターに対応したモデルもあります。

モニターアームの設置可能台数は、PC作業で行う仕事の性質によって選びましょう。
4台以上の設置ができる製品は、デイトレードのような複数画面を常時確認する仕事でなければ持て余す可能性があります。

1-2.対応モニターサイズ

対応モニターサイズ

モニターアームは、製品ごとにPCモニターの対応サイズが設定されています。
対応外のサイズを取り付けることは、モニターアームを動かした時にPCモニターがデスクとぶつかったり、取り付けたPCモニター同士が干渉して可動域が狭まったりするため、推奨されていません。
使っているPCモニターのサイズから、対応しているモニターアームを選びましょう。

また、PCモニターがVESA規格に適合しているかどうかも、事前に確認する必要があります。VESA規格とは、映像機器の固定金具に定められている国際標準規格です。
VESA規格に適合しているPCモニターは、背面に開けられている4つのネジ穴が、100×100mmか、75×75mm間隔となっています。

モニターアームの取り付け部分は、VESA規格のネジ穴に沿って作られているため、基本的にVESA規格に適合したPCモニター以外はモニターアームを取り付けられません。
PCモニターの型番からメーカーサイトでスペックを検索して、VESA規格に適合しているかを確認してください。

1-3.耐荷重

PCモニターは、2kg以上の重量を持つ製品がほとんどです。
モニターアームは重いPCモニターを固定するパーツであるため、耐荷重を必ず確認してください。2台以上取り付けられるモニターアームは、アームごとの対応耐荷重をチェックする必要があります。

モニターアームの耐荷重は、PCモニターの重量を確認し、それよりも少し余裕のある重量にしましょう。耐荷重がPCモニターの重量と同じくらいだと、モニターサイズの大きいPCモニターに変えた時、モニターアームも一緒に買い替えなければなりません。
耐荷重に余裕のあるモニターアームは、PCモニターのサイズが変わっても使うことができるため、経済的だといえるでしょう。

1-4.アームの可動タイプ

アームの可動タイプ

モニターアームの魅力は、固定したPCモニターをアーム可動域の範囲内で動かせる点です。可動域は、アームの可動タイプによって異なるため、使いやすいタイプを選びましょう。
アームの可動タイプを3つ紹介します。

  • 水平可動式タイプ
    PCモニターの高さをネジやレバーで固定している分、水平方向の可動域が広くなっているタイプです。アーム関節部は左右の動きに特化しており、上下の動きは基本的にできません。
    左右に配置するサブモニターなど、高さをあまり変えない用途の時におすすめです。
  • 垂直可動式タイプ
    モニターアーム関節部が上下の動きに特化した、垂直方向の可動域が広いタイプです。水平可動式に比べると関節数が少なく、本体サイズもコンパクトであることが特徴です。
    普通のモニタースタンドと使い勝手が似ているため、メインモニターの取り付けに適しています。
  • 水平垂直可動式タイプ
    水平・垂直のどちらにも可動域が広い、PCモニターを上下左右に動かせるタイプです。仕事中はPCモニターを手前に引き出して最適な高さにし、仕事後は奥にしまってデスクを広く使う、といった使い方ができます。
    マルチモニターの中から特定のPCモニターを手前に引き出して見ることがあるトレーダーなどにおすすめです。

1-5.回転機能の有無とタイプ

回転機能の有無とタイプ

多くのモニターアームには、PCモニターの角度調節をできる回転機能が備わっています。
回転機能を使うと、PCモニターを思い通りの位置に動かすことが可能です。
回転機能にはいくつか種類があるため、自分の作業に適したものを選びましょう。

チルト機能 モニター画面を縦に傾けられる機能です。PCモニターに角度をつけて、見やすい位置に動かせます。
パン機能 モニター画面を左右に傾けられる機能です。メインモニターとサブモニターの段差をなくしたい時など、角度調整に重宝します。
ピボット機能 モニターアームの取り付け部分を軸に、モニター画面を回転させられる機能です。回転角度は180°~360°まであるため、柔軟にモニター画面の位置を調整できます。

1-6.取り付け方法

モニターアームを使う時には、デスクや壁などにしっかりと取り付ける必要があります。取り付け方法は、以下の6種類です。

クランプ式
特徴
  • 設置箇所を、クランプで上下から挟んで固定する
  • 設置箇所が平らな板状と制限はあるものの、穴を開けずに固定できる
主な設置箇所 デスク
設置箇所の穴開け 不要
ネジ固定式
特徴
  • 設置箇所にネジで固定する
  • しっかりネジ留めすることで強度の高い固定ができる
主な設置箇所 デスク・壁面
設置箇所の穴開け 必要
グロメット式
特徴
  • デスク天板に穴を開けてボルトを通し、天板裏から金具で固定する
  • 側面に固定金具が出っ張らないため、スペースを取らない
主な設置箇所 デスク
設置箇所の穴開け 必要
(配線孔など利用できる穴がある場合は不要)
スタンド式
特徴
  • 通常のモニタースタンドと同様に、デスク上に設置する
  • デスクに穴を開けられない、クランプも挟めないケースに重宝する
主な設置箇所 デスク
設置箇所の穴開け 不要
壁面固定式
特徴
  • ポール取り付け金具で、メタルラックの支柱などに固定する
  • 穴を開けず、デスク上にスペースも取らず、しっかり固定できる
主な設置箇所 壁面
設置箇所の穴開け 必要
ポールマウンタ固定式
特徴
  • ポール取り付け金具で、メタルラックの支柱などに固定する
  • 穴を開けず、デスク上にスペースも取らず、しっかり固定できる
主な設置箇所 パソコンラックのポール
設置箇所の穴開け 不要

モニターアームの取り付け方法は、製品ごとに決まっており、複数の固定方法が選べるケースもあります。作業場の周りを確認して、最適な取り付け方法を検討してみましょう。

2.設置するデスク・壁面の強度や周囲の状況をしっかり確認する

設置するデスク・壁面の強度や周囲の状況をしっかり確認する

モニターアームは、精密機器であるPCモニターを固定する器具であるため、設置には注意点があります。
モニターアームを購入する前に、以下の3点を必ず確認しましょう。

  • 設置箇所の強度
    モニターアームを取り付けるデスクや壁面は、モニターアームとPCモニター本体の重量を全て受け止めることとなります。マルチモニターで使用すると総重量が10kgを超えることもよくあるため、設置箇所は荷重を受け止められるだけの強度が必要です。
    設置箇所の材質が薄かったり、古かったりすると、強度不足となる可能性があります。
  • ネジ穴を開けてもよいか
    リースしているデスクや、賃貸物件の壁面は、勝手に穴を開けることができません。壁面の構造によっては、壁内部が空洞でしっかり固定できないケースもあります。
    ネジで固定するタイプの製品は、ネジ穴を開けられることを確認してから購入しましょう。
  • 設置後は隣接デスクや壁に干渉しないか
    可動範囲の広いモニターアームは、モニター画面をデスク外にまで移動させることができます。モニターアームを設置した位置によっては、動かしたPCモニターが壁や隣接デスクのPCモニターとぶつかることもあるため、注意してください。
    取り付け金具や可動アームも周りとぶつかりやすいパーツです。

まとめ

モニターアームは、PCモニターで行う作業内容を考慮して、種類を選ぶことが大切です。
PCモニターの台数やサイズを考慮し、アーム可動域のタイプや固定方法を選びましょう。
モニターアームの耐荷重は余裕を持たせ、必要に応じて回転機能についても検討してください。

モニターアームは、設置するデスク・壁面の状況にも注意を払わなければなりません。設置箇所は強度が足りているか、周囲に干渉しないか、ネジ穴を開けられるかなどは、必ず確認してください。

正しい選び方を理解し、作業効率を高めるモニターアームを導入しましょう。

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