ニューノーマル時代に求められるオフィスの在り方をプロにインタビュー!
コロナ禍でリモートワークが主流になっていますが、これからの働き方はどのように変わるのでしょうか?また、それによりオフィス環境はどのような在り方が求められるのか、今回はオフィス家具の需要の変化からニューノーマルで求められるオフィスの在り方について考えていきます。
今回インタビューに応じてくださったのは、オフィスコム株式会社 商品企画1部・課長の三ツ橋様です。
- 目次
- 1.コロナ禍におけるオフィスの在り方の変化
- Q.コロナ禍でリモートワークが主流ですが、オフィス自体の在り方はどのように変化するでしょうか?
- Q.コロナ禍でオフィスに求められている環境とはどのようなものでしょうか?
- Q.オフィス移転や縮小をする企業が増えましたが、どのような移転スタイルが主流ですか?
- 2.オフィス家具の需要変化から見られる企業の動き
- Q.コロナ後、売り上げの変動が大きかったオフィス家具はありますか?
- Q.視点を少し変えて、特に大きく変化している業種があれば教えてください。
- Q.対面を避けられない業種で見られる工夫はあるでしょうか?
- 3.ニューノーマル時代のオフィス予想
- Q.コロナ収束後のオフィスの在り方はどのようになると予測しますか?
- Q.今後のオフィス環境への需要に沿うためにはどのようなレイアウト・家具がおすすめですか?
- Q.オフィス移転に際してオフィスコムでサポートできることを教えてください
- まとめ
- インタビュー回答者とインタビュアーの紹介
1.コロナ禍におけるオフィスの在り方の変化
Q.コロナ禍でリモートワークが主流ですが、オフィス自体の在り方はどのように変化するでしょうか?
三ツ橋 コロナによってリモートワークを取り入れた会社が多く、その結果「家でも作業できるんだ」ということに気付き、毎日1時間かけて出社することが当たり前ではなくなったように感じます。とはいえ、完全にリモートワークにできている企業は少なく、今後もフルリモートにはならないでしょう。
オフィスワークとリモートワークの両方が存在する「分散型」が今後の働き方の主流になると考えています。
Q.コロナ禍でオフィスに求められている環境とはどのようなものでしょうか?
三ツ橋 他部署との交流や新しい発想を生み出す場として求められると思います。例えば家から近いサテライトオフィスに出社し、他社員との雑談の機会を設けるなど、「オフィス=執務室」という役割から「コミュニケーションを取るための環境」に変化していくでしょう。
出社の頻度も状況に応じて個人に委ねられることが多くなると思います。週2回出社する人や、毎日出社する人などその人の作業内容に合わせて柔軟に対応できる環境が今後増えてくるのではないでしょうか。
Q.三橋さんご自身はリモートとオフィスではどちらの方がいいと思いますか?
三ツ橋 どちらかというと私は人とコミュニケーションを取りたいタイプなので、新しいアイディアを浮かべたい場合は出社して同僚たちと雑談してイメージをブラッシュアップしたいですね。逆に、作業で集中したい場合は家で一人の方が集中できるので、うまく作業内容に合わせて使い分けができるといいなと思っています。
Q.オフィス移転や縮小をする企業が増えましたが、どのような移転スタイルが主流ですか?
三ツ橋 サテライトオフィスの設置に対して支援金を出している自治体が多いため、支援金を受け取れる条件に合ったオフィスを設置する企業が増えています。例えば50㎡以上で5席を上回らないデスク配置や、パーテーションの設置などがあげられます。また、東京都23区以外にオフィスを移動する傾向もあります。
家具の売り上げとしては、移動が簡単にできるキャスター付きの家具が以前よりも求められるようになりました。これは、「オフィスの在り方に合わせてレイアウトを変えやすいように」という企業側の意図が反映されていると感じます。
2.オフィス家具の需要変化から見られる企業の動き
Q.コロナ後、売り上げの変動が大きかったオフィス家具はありますか?
三ツ橋 大きく売り上げが伸びたものとしては、高機能チェアや仕切るためのパネルやパーテーションが顕著でした。パーテーションとして使えるものは軒並み売上げが伸び、前年比では250%を達成した時期もありました。他には、消毒液を置くための台は一時期在庫不足になるほどの売れ行きでした。消毒液を置く台が在庫不足の時期は、代替品として電話台が売れたのは興味深かったですね。
Q.売上げが減少したものもありますか?
三ツ橋 売上げが縮小したものでは、会議用チェアや会議用のテーブルが顕著でした。他にもホワイトボードの売上げが減少したことからも、顔を合わせて打ち合わせを行う機会がどの企業でも減ったんだなと実感しました。
Q.視点を少し変えて、特に大きく変化している業種があれば教えてください。
三ツ橋 特に大きな変化が求められているのは、観光業や航空会社、鉄道などが印象的です。
海外の旅行客がほぼゼロの状態が長く続いているため、国内旅行の需要をどれだけ伸ばせるかが課題となっているでしょう。そのためには、やはり移動機関や施設での感染対策の徹底などが求められるため、感染防止の取り組みに力を入れている企業が多く見られます。
Q.対面を避けられない業種で見られる工夫はあるでしょうか?
三ツ橋 不動産などの住宅業界では今まで対面で物件紹介を行っていたものの、現在は物件を直接閲覧すること自体が憚られるため、VRで物件を閲覧できるようサービスシフトしている企業が出てきています。また、物流もお客様に荷物を対面で渡すスタイルから置き配主流になるなど変化が見られ、工場では従業員や機材に対して消毒の徹底を行うなどの感染対策が主流です。
このように、リモートでの作業が難しい業種でも「なるべく対面を避ける」や「避けられない場合は消毒を徹底する」などの工夫が見られます。
3.ニューノーマル時代のオフィス予想
Q.コロナ収束後のオフィスの在り方はどのようになると予測しますか?
三ツ橋 コロナが収束しても、現在の流れのまま分散型のオフィスやサテライトでのオフィス環境が主流になると思います。コロナ以前のように「全員出社することが当たり前」という流れには戻らないでしょう。これにより、社員がコミュニケーションを取りやすいオフィス環境が求められると思います。
Q.分散型オフィスのメリットや課題などはあるでしょうか?
三ツ橋 リモート作業と出社を分散させられることは離れていても仕事ができる環境が確立されることに繋がるので、海外の優秀な人材を採用しやすくなるというメリットもあるでしょう。一方で、社員の行動が近くで見れないため、評価やコミュニケーションが以前よりも難しくなることは避けられません。
今後のオフィスの在り方に順応するには、現在のリモートワークで出てきた課題をどう解決するかが重要になってくると思います。例えば、コミュニケーションや従業員の勤務状況を把握するために意識的に連絡を取り合うなどの対応策は各企業ごとに必要になってくるでしょう。
Q.今後のオフィス環境への需要に沿うためにはどのようなレイアウト・家具がおすすめですか?
三ツ橋 人数に合わせてレイアウト変更がしやすい商品がおすすめです。例えば、キャスターがついている家具ですね。オフィスチェアだけではなく、デスクやミーティングテーブルなどもキャスター付きの商品が多くラインナップされています。全ての家具を自由に動かせることで、これからオフィスに求められる環境の変化にも柔軟に対応できることが大切だと考えます。
また、フリーアドレスも今後の主流になると考えています。集中したい際はパーテーション付きのデスクで作業ができる、雑談やアイディアを出す際はカフェのようなくつろげるスペースで作業ができるなど、作業内容に合わせて空間を作ることが求められるようになるでしょう。
Q.オフィス移転に際してオフィスコムでサポートできることを教えてください
三ツ橋 オフィスコムはオフィス内装の設計や施工をはじめとして、オフィス家具の手配までワンストップで提案ができる「オフィスづくりのプロ集団」です。
内装設計や電話工事も可能ですし、もちろん家具選びや手配などオフィス作りに関わる部分は全て対応できます。実は、オフィスづくりを最初から最後まで一社で完結できる企業は多くありません、トータルサポートができるということは複数社に依頼するよりもコストが抑えられる可能性があります。
オフィスコムではオフィスの人数や希望に合わせて様々なオフィス環境をご提案できますので、ぜひ一度ご相談いただければと思います。
まとめ
コロナ禍でリモートワークが主流になったことで、オフィスは「毎日通う場所」から「働くスタイルに応じて行く場所」という在り方に変化し始めています。ニューノーマルで求められるオフィスとはオフィスはより社員同士のコミュニケーションを重視した環境づくりと、変化に柔軟に対応できることが大切です。
今後も求められるオフィス環境を目指す第一歩として、レイアウトを自由に変更できる家具選びから見直してみるのはいかがでしょうか。
インタビュー回答者とインタビュアーの紹介
インタビュー回答者
オフィスコム株式会社
商品企画1部・課長
三ツ橋 友彦
前職ではインテリア全般の商品やオフィス家具など様々な企画・開発業務に携わる。オフィス家具開発歴18年。トレンドを取り入れながらも使いやすさを常に意識した商品開発を心掛けている。
インタビュアー
lak dom合同会社
代表
石川 優貴
滋賀県庁、国土交通省、NHKなどを経験後、LINEにてLINE NEWSの編集に携わる。その後メディア事業の責任者を経て、フリーランスとして独立し、朝日新聞、HubSpotなどのSEOコンサルティング業務を担当。toB向け、toC向けに関わらず取材の対応も行っている。