アメリカ式のオフィスデスクは日本と何が違うの?文化的背景やデザイントレンドの視点から解説
「アメリカのオフィスってどんな感じなんだろう?」と疑問に思ったことはありませんか?実は、アメリカのオフィスデスクやオフィスレイアウトは、日本のものとは大きく異なります。
この記事では、アメリカと日本のオフィスデスクの違いを、文化的背景やデザイントレンドの視点から解説します。オフィス家具のプロがおすすめするアメリカ式のオフィスデスクについても触れていますので、あわせてご参照ください。
- 目次
- 1.アメリカと日本のオフィスデスクはどう違う?アメリカ流オフィスの特徴
- 2.アメリカ流のオフィスデスクの背景にある文化的特徴
- 3.アメリカ発のオフィスデスクのレイアウト
- 4.アメリカ流のオフィスデスクのデザイントレンド
- 5.おすすめのアメリカ式のオフィスデスク3選
- まとめ
1.アメリカと日本のオフィスデスクはどう違う?アメリカ流オフィスの特徴
アメリカと日本のオフィスデスクにおける最大の違いは、レイアウトと設計思想にあります。具体的には、「アメリカでは個として働けるパーソナルなレイアウト」を構築するのがメインに対し、「日本ではグループとして働く島型レイアウト」といった点が違いです。
昨今では日本でも、アメリカのようなオフィスデスクのレイアウトを導入する傾向があります。しかし、実際にどのようなデザイン・レイアウトが主流なのか、アメリカ流オフィスの違いについて把握できていない方も少なくないでしょう。
アメリカと日本のオフィスデスクレイアウトにおける思想には、下記のような違いがあります。
- アメリカのオフィスには半個室のキュービクルタイプが多い
- アメリカのオフィスデスクは個人の裁量・自由に任せる思想
- 日本のオフィスデスクは上司の直接的管理を前提としている
1-1.アメリカのオフィスには半個室のキュービクルタイプが多い
アメリカの大企業が設けるオフィスでは、パーテーションで区切られた半個室の「キュービクル」タイプのデスク配置が多く見られます。個人のパフォーマンスを重視し、集中しやすい環境を提供することが重要視されているためです。
たとえば、周囲の音や視線を遮ることで、従業員が仕事に集中しやすくなるだけでなく、プライバシーも確保できるメリットがあります。
ただし、すべてのアメリカ企業が同様のオフィスデスク配列をしている訳ではありません。いわゆる日本の伝統的な大企業のような、アメリカにおける伝統的企業でそのようなオフィス傾向が強まるイメージです。
実際には人種や培ってきた経験でカルチャーが異なり、オーナーによっては異なるオフィスデスクのレイアウトを実施しているケースもあります。
しかし、得てして「半個室型のオフィスデスク」や「“個”を尊重する空間作り」が全体の傾向として存在します。
1-2.アメリカのオフィスデスクは個人の裁量・自由に任せる思想
アメリカのオフィスデスクは、従業員一人ひとりの裁量に任されて業務を行えるケースが多くなっています。各部署の上司が状況に合わせてマネジメントするというよりは、各人で業務内容が明確に分かれており、個人の裁量や自由さで対応できる文化を尊重しているイメージです。
日本のように、その都度上長の指示を仰ぐ必要もなく、ある程度のスピーディな対応を軸に置いています。しかし、その反面個人のToDoや目標達成率が厳格に設定されており、「他の人を手伝っていて時間が足りなかった」のようなある種の言い訳ができないマネジメント文化となっています。
1-3.日本のオフィスデスクは上司の直接的管理を前提としている
アメリカのオフィスデスクレイアウトに比べると、日本のオフィスでは、上司が部下を直接把握しやすいよう島型のレイアウトを取り入れてるケースが多くなっています。
日本の業務では、その都度状況にあわせて上司が部下に役割を割り振ったり、同じチーム内で補助しながら進める事例も珍しくありません。
上司が部下の様子を把握しやすいため、コミュニケーションを密に行えるメリットがあり、チームワークを強化する効果が期待できます。一方で、上司の直接的管理が行われる空間で仕事がしづらいと感じる人もおり、アメリカのような半個室型オフィスに憧れを抱く人もいます。
2.アメリカ流のオフィスデスクの背景にある文化的特徴
アメリカ流のオフィスデスクが生まれた背景には、アメリカならではの文化的特徴があると推測されます。ここでは、アメリカ流のオフィスデスクが生まれた背景や文化的特徴について解説します。
2-1.アメリカは広大な土地を持つ国
アメリカは広大な土地を持つ国土です。アメリカの国土面積は約963万平方キロメートルで世界第三位と、日本の国土の約25倍にもなります。NYのマンハッタンやロサンゼルスのビル内等ではなく、少し郊外のオフィスになると土地自体が広いため、オフィスの敷地も広大です。
そのため、オフィススペースにもゆとりがあり、個人のスペースを広く確保しやすい特徴があります。ゆったりなフロアに広々としたオフィスデスクが相まって、開放的な雰囲気のなか働けます。
しかしその分、広いスペースを豪快に使いたい気持ち(需要)が増すことによって、アメリカのオフィス家具はダイナミックになりがちです。
2-2.アメリカは多民族のカルチャーを持つ国
アメリカは多民族国家であり、さまざまな文化背景を持つ人々が共存しています。「ルール(境界線)を決めないと秩序が乱れがち」だった背景もあり、逆にルールを明確に決めた中であれば自由、という文化が根付きました。
そのため、オフィスにおいても多様性を尊重し、個々のニーズに対応できるような環境づくりが重要視されています。たとえば、宗教上の理由で必要な祈祷室などもアメリカのオフィスデスクでよく見られる施設のひとつです。
この「多民族カルチャー」が背景となり、バラエティ豊かなオフィスデスクに繋がっています。
2-3.アメリカはチャレンジ(挑戦)を推奨する国
アメリカは、チャレンジ精神を重視する文化があります。開拓によって建国された歴史も影響を受けており、「まずはやってみよう!」「チャレンジが失敗しても大丈夫!」の文化が根付いています。
そのため、オフィス環境においても新しいアイデアを生み出し、イノベーションを促進するための工夫が凝らされているケースも珍しくありません。
たとえば、自由な発想を促すためのブレインストーミングスペースや、リラックスしながら意見交換ができるカフェテリアなどが設置されているオフィスも多く存在します。
このような「チャレンジを推奨する文化」があることによって、アメリカ流の半個室キュービクルタイプや遊び心のあるオフィスインテリアをサクッと導入する企業カルチャーに繋がっていると言えるでしょう。
3.アメリカ発のオフィスデスクのレイアウト
日本の島型オフィスデスクレイアウトに比べて、アメリカでは開放的なオフィス空間のレイアウトが主流です。特に、アメリカ発のオフィスデスクレイアウトとしては「カフェスペース」「フリーアドレス席」などの設計が知られています。
3-1.カフェスペース
近年、アメリカのオフィスでは、カフェスペースを併設するケースが増えています。新しいアイディアの創出が期待されており、リラックスできる空間で従業員同士のコミュニケーションを促進するのが目的です。
たとえば、Googleのオフィスには、カフェのような休憩スペースが設けられており、従業員が自由に利用できます。そのため、従業員は気分転換を図りながら、同僚と交流を深められるのがポイントです。
昨今の日本でも、カフェスペースなどのリラックス空間をオフィス内に設ける企業が増加傾向にありますが、アメリカから日本へ取り入れられたオフィスデザインと言えます。
3-2.フリーアドレス席
フリーアドレス席も、アメリカのオフィスでよく見られるレイアウトです。従業員が自分の仕事内容や気分に合わせて、自由に働く場所を選べるようにすることで、生産性や創造性を高めることを目的としています。
たとえば、集中したい時は静かな場所に移動したり、チームで協力して作業したい時は大きなテーブルのあるスペースに移動したりできます。従業員はより柔軟で効率的な働き方を実現できるため、コミュニケーションを活発化させられるのがポイントです。
近年では、日本でもフリーアドレスを取り入れたオフィスデスクを採用した企業が増加傾向にあります。半個室で煮詰まった社員が、リラックスしながらインスピレーションを得られるのは大きな魅力です。
しかし、フリーアドレス席を取り入れるには、個人の私物を収容できる収納スペースが必須です。また、職種に応じてフリーアドレスの向き不向きもあります。よろしければ下記の動画をご参照ください。
4.アメリカ流のオフィスデスクのデザイントレンド
アメリカ流のオフィスデスクには、以下のようなデザイントレンドが多く見られます。
- シリコンバレー企業の影響を受けたデザイン
- 大胆なカラーリング
- 遊び心のあるアイテムやオフィス家具
- サステナビリティに配慮した設計
ここでは、アメリカ流オフィスデスクのデザイントレンドについて、主流な取り組みを紹介します。
4-1.シリコンバレー企業の影響
アメリカのオフィスデスクのデザイントレンドは、シリコンバレーで生まれたIT企業の影響を大きく受けています。GoogleやApple、Facebookなどの大企業は常に新しい働き方やオフィス環境を模索しており、革新的なアイデアから生み出されたレイアウト・設計も珍しくありません。
たとえば、Googleでは遊び心のあるデザイン・カラーリングを多く取り入れています。Microsoft本社では、フィットネスセンターやテニス・バスケットコートなどが併設されています。
一方でApple Parkではサステナビリティに配慮したリサイクルコンクリートなど、持続可能性に重点を置いており、さまざまな違いが特色として現れています。
また、モジュール式オフィススペースなど、独立型のパーテーション・オフィスデスクで柔軟にレイアウトを変えられる設計も評判です。
近年のシリコンバレー企業では、上記のような「アメリカ流オフィスデスク」に刺激を受けて有名企業のオフィスデザインを踏襲するケースが増加傾向にあります。
4-2.大胆なカラーリング
近年、アメリカのオフィスでは、大胆なカラーリングを取り入れたデザインが人気です。鮮やかな色使いは従業員の気分を高め、創造性を刺激する効果があると考えられています。ワークスペースやリフレッシュルームなど、空間に応じて色使いを変更するのも主流です。
たとえば、Googleはコーポレートカラーの赤・青・黄・緑の4色をベースに、内壁や床に明瞭な色分けを行っています。色でエリアがゾーニングされており、コワーキングスペースなどのデザインも独特です。
壁やオフィス家具にビビッドな色を使用したり、カラフルなアートを取り入れたりする企業も増加傾向にあります。オフィス全体が明るく活気のある雰囲気になるよう、ポップ・チャーミングなオフィスがアメリカにおけるオフィストレンドのひとつです。
4-3.遊び心のあるアイテムやオフィス家具
アメリカのオフィスでは、遊び心のあるアイテムやオフィス家具を取り入れる事例も多くなっています。従業員のストレスを軽減して、リラックスできる空間づくりにより、創造的な発送を生み出すと考えられています。
具体的には、業務には直接かかわらない遊具的なアイテムが多くなっています。たとえば、ダーツ台やビリヤード台など、無難な汎用的オフィス家具以外の採用も珍しくありません。ほかにも、バランスボールやハンモックなどを設置する企業もあります。
オフィスインテリアの世界観をイメージしたうえで、企業としてのキャラクターを意識した家具選びも積極的に行われています。
4-4.サステナビリティに配慮した設計
環境問題への意識の高まりから、サステナビリティに配慮したオフィス設計もトレンドです。なぜなら、地球環境にやさしいオフィスは、企業のイメージ向上にもつながり、従業員の満足度を高めることにも貢献します。
たとえば、太陽光発電システムの導入や、省エネタイプの照明器具の利用、リサイクル素材を使用したオフィス家具の導入などが進んでいます。そのため、従業員は快適に働きながら環境問題にも貢献できます。
自然環境に配慮したサステナビリティな取り組みは投資家達からも注目を集めており、民間から経営まで投資文化が成長しているアメリカにおいて、サステナビリティに配慮した設計は特に注力されている分野のひとつです。
5.おすすめのアメリカ式のオフィスデスク3選
5-1.ITOKI(イトーキ) X09シリーズ 【商品番号:ITO-X09-188CB-51】
ITOKI(イトーキ) X09シリーズ 【商品番号:ITO-X09-188CB-51】
サイズ | 幅1800×奥行850×高さ720mm |
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材質 | 天板・扉/オーク突板オークダークブラウン色塗装仕上 本体/強化紙化粧板 突板カラー51オークダークブラウン |
まるでアメリカの重役室に置かれているような、重厚感あふれる両袖のオフィスデスクです。ダークブラウンの木材と重厚な佇まいが、風格を感じさせます。シンプルながらもエグゼクティブ向けなデザインにより、オフィス空間に引き締まった印象を与えられます。
両側に引き出しが付いているため、書類や文房具などを整理整頓して収納できます。上部の引き出しには鍵穴も付帯しており、重要書類を収納しておくことも可能です。
全体の幅1800mmと広々としたデスクを活用できるため、十分なワークスペースを確保できます。
○ユーザーからの口コミ
- ・デザインも良く、高級感がありとても気に入りました。配送業者の方に関しても、運搬・組立ともに丁寧に作業していただけました。
- ・高級感あり、引き出しも使いやすい。配送、組み立てをしてくださった方は、とても丁寧に扱い素早く設置してくださいました。
5-2.プラス OXシリーズ L字デスク 【商品番号:PB-OX-187SD】
プラス OXシリーズ L字デスク 【商品番号:PB-OX-187SD】
サイズ | 幅400×奥行700×高さ720mm |
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材質 | 天板・幕板・側板 / 低圧メラミン樹脂化粧板 エッジ / ABS樹脂 |
アメリカ企業におけるエグゼクティブのような風格が漂うL字型デスクです。美しい木目調の天板と、クールなアルミ脚が、洗練された雰囲気を演出。オフィスに置くだけで、ワンランク上の空間を味わえます。
広々としたワークスペースを確保できるため、資料を広げたり、複数のモニターを置いたりしても作業スペースに余裕があるのも魅力です。傷や汚れに強いメラミン樹脂化粧板を使用しているので、長く愛用できます。
天板と幕板には左右2ヶ所に配線穴が用意されており、ケーブルをスマートに配線しておしゃれな風合いを維持しやすいのもポイントです。
○ユーザーからの口コミ
- ・木目調のデスクが見た目もおしゃれで気に入りました。広々と書類を広げて使えます。
- ・今までザ社長な机を選択していましたが、社員との差を無くしたいのとシンプルデザインを選択しました。時代にマッチし、意外と良いかもです
5-3.オフィスコム メティオ2.0 フリーアドレスデスク 【商品番号:HBDK-FL4812KB】
オフィスコム メティオ2.0 フリーアドレスデスク 【商品番号:HBDK-FL4812KB】
サイズ | 幅4800×奥行1200×高さ720mm |
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材質 | 天板:メラミン樹脂化粧板、フラッシュハニカム構造、パーティクルボード、脚部・配線ボックス:スチール(粉体塗装)、ジョイント金具:アルミニウム、配線ボックスフタ:PVCシート、MDF |
まるでアメリカのオフィスを思わせる、開放感あふれるフリーアドレスデスクです。味わい深い古木調の天板と、シックなブラックフレームが、洗練された雰囲気を醸し出しています。
最大8人が並んで作業できる広々としたスペースは、自由な発想とコミュニケーションを促進。個々のスペースを確保したい場合は、別売のデスクトップパネルを設置することで、集中しやすい環境を作ることも可能です。
配線ダクトは、フリーアドレスとミーティングの2通りの使い方ができる独自構造を採用しており、用途に合わせてフレキシブルに活用できます。天板は傷や汚れに強いメラミン樹脂化粧板を使用し、安全性にも配慮されています。
まとめ
アメリカのオフィスデスクは、日本のオフィスとは異なり、個人の自由と創造性を重視した設計が特徴です。
広大な国土や多民族文化、そしてチャレンジ精神を重視する国民性から生まれたアメリカのオフィスでは、半個室のキュービクル型やフリーアドレス席など、従業員の集中力とコミュニケーションを両立させる工夫が凝らされています。
さらに、環境問題への意識の高まりから、サステナビリティに配慮した設計もトレンドです。
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オフィスコム公式:https://www.office-com.jp/
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